Dロイスの運用
ディスクリプトロイス(以下:Dロイス)とは、そのキャラクターそのものを表現したロイスである。通常、ロイスとはそのキャラクターの人生にとって影響の深い人物を指す。だが、Dロイスはそのキャラクター自身の過去や特徴、強い思いそのものを指すのだ。このDロイスを使用することにより、そのキャラクターは"世界でひとつだけの武器を使用できる"、"誰かのクローン体である"、"恐るべき実験のすえに生み出された"など、物語の主人公にふさわしい特殊な設定や能力が与えられるだろう。
ただし、このルールはセッション運用上で難しい舵取りを迫られる可能性もある。取り入れることで、GMが予定していた方針が崩れてしまうこともあるだろう。GMはこのDロイスの用い方を慎重に考えること。もしプレイヤーがDロイスを使用したいといった場合でも、セッションの進行に支障をきたすなど、なんらかの問題を感じた場合は使用を却下しても構わない。またその際、特定のDロイスのみ、使用を却下しても構わないものとする。
逆に、プレイヤーの側からDロイスを使用する際には、必ずGMの許可を得ること。
バックトラックにおける扱い
Dロイスはバックトラック時のダイスに数えない。つまりタイタス化したロイスと同じような扱いとなる。これはDロイスが他者とのつながりではなく、自身と結ぶデータだからである。
Dロイスはタイタス化せず、また昇華することもない。消去については後述する。
Dロイスのエフェクト
Dロイスの中には、取得することによって、そのDロイス専用のエフェクトを得るものがいくつかある。
こういったエフェクトはデータ欄に「制限:Dロイス」と表記してある。
「制限:Dロイス」のエフェクトは、あらゆるデータの効果を用いても、他のキャラクターが取得できないものとする。
Dロイスは基本的に消去されない。Dロイスによって得られる設定は、キャラクターに密接に関係するものであり、ある日突然に失われるものではないのだ。
例えば、複製体である事実は決して消えることはないし、実験体であった過去が変わることもない。変異種などの特殊なレネゲイドを持ったキャラクターが、理由もなくある日突然、普通のオーヴァードになったりもしないだろう。ただし、シナリオの展開によって、キャラクターの取得しているDロイスはなくなったと明確に演出されるなどした場合、GMの許可のもとでDロイスを消去してもよい。また、GMはあらかじめDロイスが消去される条件を決めていてもよい。
Dロイスが消去された場合、Dロイスの効果によって得ていた能力やエフェクト、アイテムなどのデータは、すべて失われるものとする。また、Dロイスが消去されたことによって固定ロイスがふたつ以下になる場合は、任意のキャラクターにロイスを取り、それを固定ロイスとすること。なお、GMが望むならば、他のDロイスを取得させてもよい。
Dロイスの中からひとつを選択し、取得すること。Dロイスを取得することによって、そのキャラクターは効果欄に書かれた、さまざまな影響を受けることになる。感情欄はボジティブ、ネガティブともに空白にする。なお、Dロイスは必ず固定ロイスとなる。
Dロイスは、基本的にキャラクターひとりにつきひとつまでとする。
Dロイスはキャラクターにとって重い設定である。複数のDロイスを取得して、ひとりのキャラクターに大きすぎる設定をのせることは、セッションを混乱させる要因となるからだ。
ただし、GMが許可したならば、キャラクターひとりに複数のDロイスを取得させても構わない。
Dロイスの取得制限
Dロイスはその種類によって、キャラクターのブリード、シンドローム、ワークスが適応しないと取得できないものがある。例えば「Dロイス:申し子」はピュアプリードのキャラクターしか取得できず、「Dロイス:光使い」はシンドロームにエンジェルハィロゥを持つキャラクターしか取得できない。
キャラクター作成時に取得する
キャラクター作成時にDロイスを取得する場合、ライフパスにおける固定ロイスのうち一つをDロイスと入れ替えること。入れ替えるロイスはPLが任意に選択しても良い。
GMはPCに対して特定のDロイスを取るように指示してもよい。
作成済みキャラクター時に取得させる
既に作成済みのキャラクターにDロイスを取得させる場合、現在持っている固定ロイスのうち一つをDロイスと入れ替えること。入れ替えるロイスはPLが任意に選択しても良い
メインプレイ中での取得
基本的に、メインプレイ中にDロイスを取得することはできない。ただし、GMは望んだ時に、PCに対して特定のDロイスを取るように指示してもよい。その場合、アフタープレイ時に必ず固定化すること。
PCだけでなく、NPCもDロイスを取得できる。GMは任意のDロイスを選択して、NPCに取得させてよいし、必要ならば複数のDロイスを持たせても構わない。ただし、NPCであっても取得できるDロイスの最大数は7つとする。これはひとりのキャラクターが持てるロイスの最大数が7つだからである。