画像のリアリズムの補足
👉 画像のリアリズムの基準
前回の内容:画像のリアリズムの3つの基準
画像のリアリズムをどう特徴づけるかについては、いまだに諸説あってとくに定説はないのが現状だが、カルヴィッキにしたがえば、ひとまず以下の3つの考えかたがある。
正確さ
情報量
統語論的に有意味な性質の多さ
補足と訂正
3つめの基準について、カルヴィッキをもう一回読み直した。
ポイント①
基本的には、われわれが普段慣れ親しんでいる画像にどれだけ近いか、つまり画像としての模範(exemplar)にどれだけ近いか、というのが画像のリアリズムの第3の基準になるという主張をしている。
ポイント②
一方で、具体的にどういう特徴を持つことが「画像としての模範」になるのかという話になると、カルヴィッキは構造説の画像の定義のもとで、その定義により合致する画像のほうが模範的だということを主張している。
👉 構造説の考え
グッドマンの理論
カルヴィッキの透明性
結果として、たとえば「統語論的に有意味な性質が多い」(相対的に充満している)という特徴がリアリスティックかどうかに関係してくるという議論になっている。
統語論的に有意味な性質の多さ
画像の描写内容を引き出す際に、重視する画像表面上の特徴がどれだけ多いかということ。
ようするに意味を持つものとしてカウントする要素の話。
カラー写真だと画像表面上の色相は有意味だが、白黒写真では画像表面上の色相は無視される。
グッドマンの理論における「相対的充満」に相当する。