独立・革命・連合=USA
独立・革命・連合=USA
アメリカの独立
1つの独立であったのか
独立宣言を読めば、植民地連合が自由にして独立になったと読める。各ステイツは個別的にではなく統合的に独立したものと考えられる
13の独立であったのか
イギリスからの分離の結果、13のステイツは相互に自然状態におかれるようになった
1776年以降、この二つの解釈が、あるべきアメリカ像の二つの理念型として存在し続けた 「独立」は対外的側面においてUSAをひとつの国家として捉えた
フランスと同盟、国家間条約、公使の派遣という点でひとつの国家として機能
独立戦争においても、大陸会議、大陸軍、総司令官、大陸紙幣といった大陸代の組織と手段
「革命」は対内的側面において、USAを諸国家の連合として捉えた
革命の窮極的目的は自由の構成であり、革命政府の実際の仕事は共和国の形成である
現実政治上の変改は各ステイト内において党派間の抗争として進行
戦争遂行という共通の目的は失われる
USAの国家的機能は弱体化
人々の関心と利害関係は各ステイトのレベルへと収斂されていく
国家連合としてのUSAは、独立戦争という緊急事態への対策として人工的に形成された機構
戦争が終わると人々は各ステイトに回帰
アメリカ人としての意識
ヨーロッパに対する文明的、価値体系的な対比としての「アメリカ人」
必ずしも内部における政治的統一体への帰属意識ではない
移民も、アメリカ人としてというよりは、ヴァージニア人として、のように帰化する
連合会議も、各ステイトを代表するものであって、各個人に及ぶものではない
USAが国家になることを望む声
「独立」対外面での需要
条約の施行が忠実に行われないことで、対外的な信用が喪失
最小限、関税権や通商規制権をあたえて財政と経済との安定を期することが望まれる
「革命」対内面での需要
革命性を抑圧したい
ステイトの議会をいかに規制するか?
ジェファソン
173名(ヴァージニア邦議会の議員数)の専制者が圧政的であることは、一人の専制者と全く変わりはない…選挙された専制政治など、われわれが戦い求めたものではなかった
全ての政府の権限、立法、行政、司法が立法部に帰属している
政府の権限全てが、同一の掌中に専制的に集中するに至っている
ステイトの次元での抑制均衡策とともに、各ステイトを抑制する中央機関の強化=国家権力の創出というシナリオ
1787年二月、連合規約の改正を唯一の明白な目的として、特別会議を開くことを決議 連邦憲法制定会議であるところの連邦会議
「国家的政府」の樹立を目的としたヴァジニア案
人口に比例して選ばれた二院制の議会に権力が集中し、その国家的議会は合衆国憲法に抵触すると認められる一切のステイトの法律を否認しえる
「デモクラシーの行き過ぎ」を前提とし、USAを強化、ステイトを抑制
「総じて、妥協よりはコンセンサスが、連邦会議の極めて重要な特性であった」
もちろん、各ステイトの批准を得ることが必要
各ステイトの承認を得られる案を作ることが課題であるという自覚
何であれば、人民が承認するであろうかを、考慮することが必要である