アメリカン・ゴシック
アメリカン・ゴシック
元はゴート族を指す言葉に由来
「中世」という暗黒時代, その特徴とされる「野蛮さ」「異様さ」を意味するように 肯定的に意味づけ直そうとする
ゴシック建築
エドマンド・バーグ『崇高と美の概念の起源』で人智を超えるものに対する恐怖を喚起するsublimeの概念と結びつけられ評価される
ゴシック・ロマンス
読者の中に恐怖を喚起することを目指す怪奇小説
イギリスの作家ホレス・ウォルポール『オトラント城』にはじまる
中世の城や修道院を舞台に, 追跡や迫害, 性の侵犯行為などに満ちた金箔した物語
アメリカのゴシック・ロマンス
イギリスにおいてゴシック・ロマンスが生まれ流行したのは18世紀後半・啓蒙思想の時代 アメリカではイギリスからの独立・建国とほぼ時を同じくする状況で生まれた
アメリカ最初の職業作家チャールズ・ブロックデン・ブラウン
ヨーロッパの城や修道院がないアメリカにおけるゴシック・ロマンスの可能性を開く
フランクリンが啓蒙の光に照らされたアメリカを体現するのに対し, ブラウンは自由と平等を謳う近代民主主義国家は恐怖政治に転じる危険性や異人種の抑圧をはらんでいることを作品によって描いた
アメリカン・ゴシックとは
国の成り立ちと密接につながる家族や人種の主題を取り上げ, その抑圧された下層の暗黒面に深く探りを入れることが特徴
ポー「アッシャー家の崩壊」
現代ではジョイス・キャロル・オーツらにもいたる伝統
絵画「アメリカン・ゴシック」
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地方に生きるアメリカ人のピューリタン的な厳格さや不寛容さを炙り出したものとして多くの称賛と批判 パロディも現在まで無数に作られている
ポップカルチャーの中のアメリカン・ゴシック
J・ハフ「アメリカン・ゴシック」やS・キャシディ制作のドラマ「アメリカン・ゴシック」
追跡と迫害, 殺人に満ちたホラー
スマッシング・パンプキンズのCD「アメリカン・ゴシック」
ゴス・ファッションを全面に打ち出すバンドによる作品