羊をめぐる冒険
生命を生み出すのが本当に正しいことなのかどうか、それがよくわからないってことさ。子供たちが成長し、世代が交代する。それでどうなる? もっと山が切り崩されてもっと海が埋め立てられる。もっとスピードの出る車が発明されて、もっと多くの猫が轢き殺される。それだけのことじゃないか
5年も前にたった2ヵ月ちょっと付き合ってた? 的な人の友人に会おうと思うものだろうか。かなりどうでもいい気がするけど。その相手もその友人も。そこがミソなの? この人には、時間の長さとかどの程度今と距離が離れているかとかが意味をなさないということで、ここは引っかかっていいんだろうか。
kana.icon
だいたい世の中で失笑されてる春樹イメージってここからきてるんじゃない? という
風の歌を聴け、1973年のピンボールとはなんだか文体というのか、ほんとうにかなりガラッと雰囲気が違っている。説明しにくいけど
それこそ、 「やれやれ」 とか言い出すし、「セックスした。」 とか「~~かもしれない。」 とか言い出す。
これまでは言っていなかったし、なんならねじまき鳥クロニクルでもそれほど鼻につく感じではなかったし...
映画の字幕みたいなしゃべり方をするのはいつも。
そして、だいたい女性キャラクターが絶対的に異様に若いし相対的にも主人公より年齢が3つも4つも違う(女性のほうがいつも、大分、だけど許容されるのであろう程度に年齢が低い)のがちょっと気持ち悪かった
しかも、だいたいその女性たちは賢すぎるし老成しているというのか、人生経験が多くないといわないようなことを言うし、だからたぶん本来はその年齢じゃないものを、オバサンを書きたくないから (それか、書くとどこかでなにか言われるとか問題が起きるから) 年齢だけ変更しているように見える
まあただ、たとえば「21歳の、校正のバイトをしている娼婦」 とかはグランド・ホテルとかがそうだから、やはりリアリズムが混ざることや日本が舞台であるということでバグる (現実と照らし合わせて気持ち悪いと感じる) のだけどそうではなくってもっとこう、映画的な、極めてフィクション的でアメリカハリウッド的なイメージを持ったほうがいいのだろうか。たぶんそうなんだろう。「ハリウッド的な設定で、非リアリズム的なアメリカふう小説というのを日本を舞台にしてやってみたかった」 とかさ。そういうこと
なぜそんなに性行為のことをせっかくの本に書き入れたいのかがわからない。そのせいで台無し。
「離婚」 のテーマははじめて出てきた
この離婚にしても、友人と不倫してたみたいなことなんだけどこれはちょっと海外の伝統的な小説だとか映画っぽい。
だって普通にあるあ...ねーよwwじゃない? こういう設定は
「細胞は一ヵ月ごとに入れかわるのよ。こうしている今でもね」彼女はほっそりとした手の甲を僕の目の前にさしだした。「あなたが知ってると思ってるものの殆んどは私についてのただの記憶にすぎないのよ」
札幌の街は広く、うんざりするほど直線的だった。僕はそれまで直線だけで編成された街を歩きまわることがどれほど人を磨耗させていくか知らなかったのだ。
「君は思念のみが存在し、表現が根こそぎもぎとられた状態というものを想像できるか?」と羊博士が訊ねた。「わかりません」と僕は言った。「地獄だよ。思念のみが渦まく地獄だ。一筋の光もなくひとすくいの水もない地底の地獄だ。そしてそれがこの四十二年間の私の生活だったんだ」
植民地の話。
日本における緬羊飼育の失敗はそれが単に羊毛・食肉の自足という観点からしか捉えられなかったところにある。生活レベルでの思想というものが欠如しておるんだ。時間を切り離した結論だけを効率よく盗みとろうとする。全てがそうだ。つまり地面に足がついていないんだ。戦争に負けるのも無理はないよ
「さっきも言ったように、残念ながら私には言葉でそれを表現することができない。羊の求めているのは羊的思念の具現だとしかな」「それは善的なものですか?」「羊的思念にとってはもちろん善だ
笑笑笑
日露戦争。
「現在」とは一九七〇年のことであって、本当の現在ではない。本当の現在とは一九七八年十月のことである。しかしひとつの町の通史を書くからにはやはり最後に「現在」を持ってくる必要に迫られる。たとえその現在がすぐに現在性を失うとしても、現在が現在であるという事実は誰にも否定できないからである。現在が現在であることをやめてしまえば歴史は歴史でなくなってしまう。
やはり、1970年。
たとえば一九〇五年/明治三十八年には旅順が開城し、アイヌ青年の息子が戦死していた。僕の記憶によればそれはまた羊博士の生まれた年でもあった。歴史は少しずつどこかでつながっていた。「なんだかこうしてみると、日本人って戦争のあいまに生きてきたみたいね」と彼女は年表の左右を見比べながら言った。
→マルタの鷹
あきらかにマルタの鷹をオマージュ
public.icon