物語はいかにして心を動かすのか:物語説得研究の現状と態度変化プロセス(2016)
どんな論文?
物語説得の定量的研究とプロセスモデルについてのレビュー。物語説得の特徴、理論、モデルの発展について要約と説明が為されている。 物語説得の全体像を実証的観点から把握する。
その後、それらを分類分けし、統合出来る部分は統合を行う。
いろんな論文を拾ってきて、物語説得モデルの統合を目指す
おそらく、この分類と統合がこの論文の独自性であり、価値があるところ。cman.icon
対象は「物語に第三者として接した際に生じる態度変化について行われた、心理学領域の量的研究」、かつ特定の物語に接触したことの効果を研究したものに絞る。
たぶん読み終わったら説得についてのちょっとした概観と物語説得モデルについての知見を得られそう。 結果・結論
物語を用いて他者の態度に働きかける試みは、実証的研究の観点からもその有効性が示されている。
今の所、感情の変化を介した態度変化の知見が頑健な結果をもたらしている。
cman.icon<(頑健な結果を齎しているって何…? →統計的な頑健性のことっぽそうだ) プロセスの詳細、条件の解明、質の違いによる影響、説得・態度変化モデルにおける物語説得の位置付けなど検討すべき点は多い。
感想
このレビュー論文、多分だけどめっちゃおもろいな。
軽く見ただけでも、思考ルートと感情ルートにプロセスを分類してそれぞれに付いて検討するとか、めっちゃ“良い”ことをしている。
物語読解での感情と現実場面での感情は根本的なところで大きな性質の違いがある、とか、マジでめっちゃいいな。
「物語への関与尺度」というのが出てきた。引っ張ってきてる感がすごい。やっぱ絶対面白いぞこの論文!
物語説得のプロセスを生起させるのに、やはり重要なのは“移入”なのかな。ちょっとちゃんと読みたいぞ。
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ちゃんと読もうとしたときのやつ
2.2あたりにある「態度」「信念」「行動意図」あたりの言葉が指してる概念をもうちょいちゃんとつかむ
以下、勉強中のチャットログ 整形します
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序:物語は人の心を動かす影響力があるが、物語ならば何でも良いというわけではない。物語の持つ「影響力」はどこから来るのだろう?
→物語を読ませて相手の態度に働きかけるのを「物語説得」と呼ぶ
物語説得にはいくつかのモデルが考えられているが、すべてを説明できているとは言い難い。
→いっぱい読んできたので統合してみるで~~ ついでに前段階として特徴とかまとめるで~~
図
https://gyazo.com/fb43753323c2cc42938e1151016db6f0
本研究ではこの図に従って、このへんをやってる実証研究を検討してくよ
思考ルートは思考にどのぐらい影響してるかってやつなんだけど、こっちの研究は、思考と態度の関連を示したとはあんまいえないね
感情ルートはどういうふうに感情が動いたかとかどんなふうな感情を向けたかみたいなやつだよ。こっちは結構頑健な結果あるけど、理論的問題は残ってるでござるね~
最終的にはどういう条件でどういう関わりでこうなってんのかみたいのをやりたいね
(ちなみに、この論文では……まぁ要約すると、一回物語読んだときにどう態度変化するかっていう量的研究を検討するよ。質的研究とかやらないし、蓄積とかもやらないし、心理学領域以外の研究もやらないよ)
2:物語説得研究で具体的にどういう研究手続きかとかそれぞれの定義とかを説明するよ
cman.iconこのへんでBrunerの名前が出てくる なるほどね
物語の定義について
物語には色々あるけど、研究で使うには、多様な解釈があるよりもシンプルではっきりしたメッセージのやつがいいよね
ところで、そもそも物語ってどう定義したらいいの?
形式に注目した定義
人の行為や内面と事象を時系列によって結び付け,まとまりとしての意味を構成する表現の形式
時間とともに明らかになっていく,因果で結びつけられた出来事の連続
内容に注目した定義:物語文法(Thorndyke,1997)に基づく
一貫性をもったまとまりのあるストーリーで,識別可能な始まり,中盤,終わりを備えており,場面,登場人物,葛藤についての情報を提供するもの(Hinyard & Kreuter, 2007)
登場人物の期待や願い,性質が最初の内は抵抗に遭いフラストレーションを与えられたり疑いをかけられたりするが,何らかの方法でそれに打ち勝ち,成功したり不正が正されたりする(Deighton, Romer,& McQueen, 1989)
cman.iconていうかこのThorndykeってソーンダイクじゃね?ソーンダイクいろんなことやってるな 流石っス
いや普通に享年的に学習分野で有名なソーンダイクではないだろ 子孫ではあるかもしれないが
Edward L. Thorndike,だから綴りも違うし全然なにもちがくて草
今回の論文ではGreenさんの定義を使うよ
冒頭から結末までの因果のつながりの中にさまざまな出来事や登場人物を含むもの(Green& Donahue, 2008)
これは形式に注目した定義で、因果関係と登場人物に言及してるのが特徴だよ。これが物語説得に関連が強いので、コレを使うよ。
キレてきたから普通に書くか。ンー。
一つ目の特徴である出来事の因果的結びつきは,それが特定の行動や対象を態度対象として価値づけるという点で重要である
なにいってんだこいつ。この辺からマジでわかんないな。集中力切れたのもある。「態度」の理解が曖昧だったからかな。
たぶんだけど、「これをやったらこうなりました(出来事の因果的結びつき)」があったとき、「こうなりました」がその人にとって望ましければ、「これをやった」の部分の評価が良くなるみたいな話をしている。
登場人物が特定の行動をとった場合に望ましい結果に到達できれば,その行動はポジティブな感情価をもち,好ましい態度を抱かれる。逆になんらかの障害によって目標達成が失敗する結果となれば,その行動や障害に対する態度はネガティブなものとなる。
だから、問題としてるのは態度の感情的成分かな? 感情価って感情心理学入門で定義読んだな。なんだっけ。
「対象の評価に用いられる良いか悪いかという判断の軸」 まんまだった。
あぁそう、だから心理学では評価したことによって生まれる状態が感情なんで、コレは感情ルートの研究にすげえ関連しているよ(この因果的結びつきによって感情を引き出せるし、感情によって態度が変わっているというのは頑健な結果が出ているよ)ということだ そういうこと? そういうことにしとくかあ
物語の中で出来事や登場人物がどう因果的に結び付けられるかは,どのような物語説得が生じるかを左右するといえる
そういうことっぽそう しらんけど
二番目の特徴である登場人物の存在は,物語を説得メッセージとは異なる独特の形式で処理させ,物語説得を引き起こすことにつながる。
これはめっちゃわかる。登場人物を介すことで処理がちがくなるってことだよね。
物語にかかれている経験を自分に落とし込むような過程を「シミュレーション」で名指しているっぽいです
このシミュレーションは(態度にかかわる直接体験と似たような形で)疑似体験として読者の思考,感情に影響を及ぼす シミュレーションの処理は主張の論理的一貫性や妥当性の検証とは性質が異なっている
んでまぁ、だから、そのシミュレーション(疑似体験)を行うために登場人物は必要だよねってこと
というわけで、この二つ重要だからこの定義使うんやでっていっとるわ
で、たぶんここの太字部分のようなことが、「物語モード」「論理モード」の論拠になりそう。
「説得手法」の違いによって処理の性質が違う、ということですな。
とりあえず今日は集中きれかけてるのと、たぶん展望論文読むにはちょっと概念理解が浅いんで一旦このへんにしておくが、おそらく2.2あたりにある「態度」「信念」「行動意図」あたりの言葉が指してる概念をもうちょいちゃんとつかむのと、じゃあ実際にどれにあたるのかみたいな部分を一旦やってみたらいいかんじの文かけそう。