スケジューリングスタイルと日常における目標追求との関連(2023)
長嶺,他,心理学研究vol94,No1,pp65-75
ダメ人間だと思っていたのが学術的に定義されていると最高になる
スケジューリングスタイルと目的追求
Avnet & Sellier(2011)はスケジューリングスタイルを目標追求における自己制御に関する個人差変数の一つとして位置づけた。
流れから察するに自己制御において、どこを重視するか(焦点を当てるか)
たぶん少なくとも焦点は二つはある
獲得や理想を重視する
時刻重視スタイルを好む
損失回避や義務を重視する
出来事重視スタイルを好む
各焦点の人は、合ったスケジューリングを行うことで、課題パフォーマンスが向上した(Avenet & Sellier,2011)
cman.iconつまりぼくは……出来事重視でスケジューリングをしたほうがいい……ってコト!?
TSQ:Time Scheduling Questionnaire 時刻重視スタイルおよび出来事重視スタイルをどの程度用いるのかを測定する
日常におけるスケジューリングスタイルが目標追求へどのように影響するかを検討することが可能
採用するスケジューリングスタイルによって、原因帰属や感情制御方略へどのような影響が見られるのか検討するために作られた(Sellier & Avnet,2014)
時刻重視スタイルのひとは出来事間の因果性の認知が弱く、物事の結果を外的な要因に帰属しやすい 出来事重視スタイルのひとは出来事感の因果性の認知が強く、物事の結果を内的な要因に帰属しやすい また、終わった課題について振り返りやすい
振り返りの過程でセイバリングを行うことでポジティブ感情を経験しやすい
スタイルを操作した場合も同じ結果らしい。スタイルに依存している……といえそう?
パフォーマンスを測ったのはヨガのみらしい
本研究では、TSQを用いたうえで、スケジューリングスタイルと日常的な目標追求との関連を検討することを目的とする
先行研究では実験室実験であったり、日常的な行いでなかったりしたので、“日常的な”目標追求との関連を知りたいってワケ
結果・考察
今回の研究においては、出来事重視スタイルは学業におけるパフォーマンスと正の相関がありそう(超ざっくり)
ほんとうはGPAとかエンゲージメントとかと相関を取ってるのでもうちょい細かいはず
特に、出来事重視スタイルの強さが学業的エンゲージメントおよび学習時間、GPAと正の相関を示すことが明らかになった。この結果を踏まえると、少なくとも大学生においては、出来事重視スタイルを多く採用することにより、日常における目標達成(例えば、学業的目標)がよりよい結果に繋がりやすくなることが示唆されたといえる。
ちなみに、どちらが優れているとかではないです。(今回は時間重視では相関が出なかったが、別のと相関取ったら、あるいはもっと適切な形でやれば、良い感じになる可能性がある。つまり、時間重視スタイルは何に向いてるのか?はまだ研究されていないということ。)
考察において、TSQ日本語版で測っている出来事重視のスタイルに置いては、パーソナリティ特性等と比べると変動し易い可能性があると書かれている
今後はスケジューリングスタイルの時系列的な変化についても、長期的なスパンで検討していく必要があるだろう。
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