魚釣り
・メガネをかけて吉野川へ潜ってね、魚を突いた。鉄砲みたいはもんで、引き金を引いたらピュっと出るようながで。そんなのを持っちょってね、魚を獲った。魚はイダじゃいうのがおった。大きいのは20~30㎝になる。よっぽど深い、水嵩の多いところへ潜り込まんといかん。浅いところじゃ獲れん。 ・1年に1回くらい魚同士があつんで、それは同じ種類の魚で、それが大きな塊になって、あつんで、オスもメスも。ツブツブの卵を産んで、それが孵ったときには段々大きくなって太ってきて、何年か先には、4~5年も経ったら25㎝くらいのになる。釣り竿に餌を付けて魚のおるところへ放り込んだら、それがガブリと噛むがよ。やはり針が付いちゅうき、それが引っかかって獲れる。
・これくらいの魚を釣り針にかけちょいて夜それを川に漬けちょく、おりそうなところへ。それをくわえたら針ごと呑むき、釣れるわけ。朝、あげに行く。籠に入れたりはせん。テグス言う糸に針を付けて、それへこれくらいの魚を餌に付ける。その魚は針に通されて死んじゅうが、それをかぶっとくわえて飲み込む。イダやウナギが獲れたよ。