膿疱性乾癬
膿疱性乾癬 (汎発型) (Generalized pustular psoriasis: GPP)
#皮膚科 #乾癬
自己免疫疾患の一つ。指定難病
尋常性乾癬の治療中の患者に急激な発熱,全身の膿疱を生じる経過のGPPと伴わないGPPがある
再発を繰り返す
感染症や妊娠などを契機に発症し,粘膜症状,関節炎を合併する他,まれに眼症状,心・循環器不全,呼吸器不全,二次性アミロイドーシスを合併することがある.急性呼吸窮迫症候群に至った場合は予後が不良である.
【問診】
8年前に尋常性乾癬と診断され副腎皮質ステロイド外用薬を塗布していた.
急激な発熱、全身倦怠感、全身または広範の皮膚が潮紅し、無菌性嚢胞が多発、融合して膿海を形成
7日前から39℃台の発熱とともに,急速に紅斑が全身に拡大したため受診した.
【身体所見】
受診時紅斑上に径5mmまでの小膿疱が多発し,集簇する.
地図状舌を認める.
https://scrapbox.io/files/681a04f67b9d9a852e70150d.jpg
【検査】
好中球優位の白血球増多、低蛋白血症,地図状舌も特徴
膿疱は無菌性
①尋常性乾癬(→乾癬に伴う疾患)
②細菌培養陰性(→細菌感染症ではない)
③真菌鏡検陰性(→真菌感染症ではない)
④Tzanck試験陰性(→水疱性疾患ではない)
⑤Kogoj海綿状膿疱(→膿疱性乾癬)
【治療】
第一選択薬はエトレチナートとシクロスポリン
他の全身治療に抵抗性の症例や、関節炎の激しい症例にメトトレキサートが推奨されるが、処方時は副作用 (肝障害、骨髄抑制、間質性肺炎など) に留意
特に重症関節症合併例に対してTNFα阻害薬
IL-17A阻害薬、IL受容体阻害薬