神経梅毒
【問診】
数ヵ月の経過で進行する認知障害と性格変化.変性疾患であるAlzheimer型認知症や前頭側頭葉変性症は否定的)
【身体所見】
検査中に数回にわたって「もうやめろ」(→診察に非協力的で前頭葉障害(脱抑制)が疑われる)
瞳孔径は両側1mmで対光反射は消失,輻湊反射は保たれる(→Argyll Robertson瞳孔であり,神経梅毒で出現することが多い.まれに糖尿病神経障害や中脳の血管障害,腫瘍でも認める)
腱反射は亢進,Babinski徴候は陽性(→錐体路徴候があることから,病変は脳実質内にある.主病変は髄膜炎でない)
【検査】
血清および髄液検査でTPHA反応
MMSE
脳脊髄液所見(→初圧上昇,細胞数増多,蛋白上昇があり炎症所見である.髄液糖は同時測定の血糖値118mg/dLの1/2から2/3が正常範囲.計算すると髄液糖の正常範囲は59〜78mg/dLなので糖低下なし.したがって細菌性,結核性,真菌性の髄膜炎は否定的)