壊死性筋膜炎
皮下脂肪組織と固有筋膜の間に存在する浅層筋膜を炎症の場とし,急速に進行する.外傷,熱傷などを契機に発症し,進行するとDIC,敗血症に至り予後不良である.A群・G群溶血性連鎖球菌,Staphylococcus属,Aeromonas属などが起炎菌となる.
【だれ】
糖尿病や肝硬変,透析患者が多く,病識にかける場合があるため,発症後時間が経過してから救急車で受診する場合も多い.日頃からかかりつけ医や看護師が,本症の危険性や対処法を十分教育することが肝要である.
【症状】
発熱と気分不良
会陰部右側と陰囊とに潰瘍があり,悪臭のある膿(→深部感染症,嫌気性菌?)
【検査】
白血球、CRP、脈拍、血圧、プロカルシトニン
CTやMRIが病変部評価に有効.
【治療】
躊躇せず広域なデブリドマンを行い,病変部を開放する.
電気メスを用いたデブリドマン技術は習得しておくこと.対応を誤ると患者は死に至る
※Vibrio vulnificus感染症の経口感染型では,肝硬変患者が生魚を食べ,それに含まれる細菌が敗血症を起こす結果,血行性に皮下に到達して壊死性筋膜炎を発症する.健常者でも咽頭などに感染した溶連菌が血行性に皮下に到達して発症することがあり注意を要する.