MRIの原理
●MRIの原理
陽子(プロトン)はプラスの電荷を有し常に回転している.電荷の回転に伴い電流が生じ,電磁誘導により磁場が発生する.MRIはこの磁場を利用して撮像を行う.撮像時に照射する電磁波(ラジオ周波数パルス)により,生体内のプロトンはそのエネルギーを吸収して励起状態(共鳴現象)となる.電磁波の照射を止めると,励起状態が定常状態へ戻ろうとし(緩和現象),その際に外部へ放出されるエネルギーを信号として取り出し画像作成に利用している.プロトン密度が高いほど信号は強くなる.実際のスピンエコー法と呼ばれる撮像法では,直交する2方向から電磁波を照射し,縦緩和(T1),横緩和(T2)の際に放出された信号をそれぞれ取得する.その信号を数学的手法(フーリエ変換など)を用いてマッピングし画像を作成する.