MCD: Multicentric Castleman Disease
多発性キャッスルマン病
#呼吸器 #肺の嚢胞性病変
【定義】
形質細胞の多クローン性増殖性疾患
リンパ節腫大と多クローン性高ガンマグロブリン血症を特徴
縦隔の孤発性病変を呈する単発性CDと全身リンパ節腫大を呈する多発性CDがある
IL-6の過剰産生による全身性の炎症反応が特徴的
【病因】
単発性CDの病因は不明
多発性CDは欧米ではHIV→HHV8型がリンパ節の細胞に感染→IL-6産生異常→多クローン性の形質細胞増生と炎症反応を惹起。HIV非感染者の多発性CDでもHHV8は4割ほど陽性とされる
が、日本人はいずれのウイルスも陰性のことが多い
【疫学】
単発性CD:40代
多発性CD:60代
性差なしhttps://scrapbox.io/files/68b19c9054477631353966af.jpg
【症候】
IL-6などのサイトカインによる炎症反応は単発性CDより多発性CDに多い。
多発性CD:悪性リンパ腫でのB症状(38℃以上の発熱、半年間で10%以上の体重減少、盗熱)が多い。CRP、フィブリノゲンなどの急性期蛋白の産生に伴い低アルブミン血症による著明な全身浮腫と蛋白貯留を伴うことがある(特徴的)。
単発性CD:縦隔・腹部の巨大リンパ節腫大を伴うことが多い。圧迫症状として、上大静脈症候群、腎後性腎不全
【検査】
IL-6高値
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【治療】
抗IL-6受容体モノクローナル抗体:トシリズマブ(アクテムラ)