LCH: Langerhans cell histiocytosis
ランゲルハンス細胞組織球症
【疫学】
好発年齢:20-40歳台男性
自然寛解も存在する
【症候】
有症状例が2/3を占め、健診発見例が1/3
咳嗽、呼吸困難、体重減少、気胸
【検査】
赤沈亢進、CRP上昇
拘束性障害、拡散能低下、残気量増加
CXR:両側上中肺野を中心に小粒状影、結節影、薄壁小輪状影→嚢胞
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胸部CT画像
両側に大小の嚢胞が多数見られる
嚢胞壁は均一ではなく、一部に限局性に肥厚している部分もある。
不整形の小結節影も散在性にみられる
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BALF中のLangerhans細胞の検出
外科的肺生検の病理
Langerhans細胞(S100蛋白陽性、CDa陽性、細胞質内にBirbeck顆粒(電顕))を持ち、肉芽腫状に浸潤増殖する。病巣部には好酸球浸潤もみられる。
肺病変は細気管支壁を中心とし、肺胞道から周囲肺胞壁へと連続性に進展する
肉芽腫の内部が崩壊すると嚢胞となり、CXR上は輪状影を呈する
嚢胞の内面は、細胞浸潤で肥厚している。
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【治療】
喫煙者では禁煙によって寛解が期待される。
一部の症例では進行性で6%が死亡
進行例ではステロイドが考慮されるが、有用性に関しては一定の見解が得られていない
【高度進行例】
全肺野びまん性に多発性嚢胞性陰影、粒状網状影を認める
肺動脈は著明に拡大し、高度の肺高血圧と考えられる
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