気管支喘息
【概念】
気道狭窄とそれに伴う喘鳴、咳、呼吸困難などの症状が発作的に繰り返す疾患
慢性の気道炎症を本態
いずれの年齢でも発症しうる
【病態生理】
➀好酸球浸潤を伴う慢性の気道炎症、→②気道過敏性亢進、→③変動性(可逆性)をもった気道狭窄
【病態】
気管支上皮の剥離・杯細胞化
気管支平滑筋の肥大
血管の新生
【症状】
夜明け方に症状が悪化(初期):コルチゾールが低くなるから!(正村先生)
【検査】
NOを測る
エオジンを測る
出ない人は気管の変動を捕まえる
気管支拡張薬で広がるか?
ピークフローが日内変動するか?(朝昼晩測ってもらう。大学外でもできる)
【診断の目安】(朝倉)
1.喘息に特徴的な症状:発作性の呼吸困難、喘鳴、息苦しさ、咳の反復(重要)
SABAで速やかに改善
wheese, rhonchi=気道狭窄
2.可逆性の気流制限(重要)
SABA吸入後15-20分後にFEV1が(前値の12%以上かつ絶対量で200ml以上)=気道可逆性
最大呼気流量(ピークフロー)の日内変動が20%以上=気道可逆性
3.気道過敏性の亢進(重要):Ach(気道収縮刺激薬)を入れて気道収縮(=FEV1低下)するか?
4.気道炎症の存在(好酸球性の場合重要)
喀痰中の好酸球比率の増加
呼気中のNO濃度上昇
末梢血好酸球は喀痰中よりも感度や特異度は低い。コントロール不良のリスクや抗体医薬の有効性の指標
5.アトピー素因(指示)
6.他疾患の除外(重要)
【鑑別診断】年齢にも依存
<成人>
COPD:長期の喫煙歴、中年期以降の発症、徐々に進行する慢性の咳・痰症状、労作時呼吸困難、気管支拡張薬投与後FEV1<70%。HRCTで肺野に低吸収領域あり、DLco低下
うっ血性心不全
期間内腫瘍
気管支結核
気道感染症:CXR、喀痰
【治療】
SITT(←MITT)重症喘息
抗体医薬:高用量吸入ステロイド薬と長時間作用性気管支拡張薬を併用してもコントロール困難な場合 or 経口ステロイドが必要な重症喘息が適応。
抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5Rα抗体、抗IL-4Rα抗体、抗TSLP抗体 ■気管支喘息の発作治療薬
●小発作:短時間作用性β2刺激薬吸入(サルタノール®,メプチン®,ベネトリン®),吸入ステロイドβ2刺激薬合剤(シムビコート®)の吸入
●中〜大発作:短時間作用性β2刺激薬ネブライザー吸入,経口ステロイドまたはステロイド点滴静注,アミノフィリン点滴静注,酸素吸入,アドレナリン皮下注
●重篤:大発作の治療継続,人工呼吸管理,吸入麻酔(イソフルラン・セボフルランなど),気管支洗浄を考慮する.