多発性筋炎 PM /皮膚筋炎DM
＜Qアシ＞20231116
原発性の横紋筋の炎症性疾患→PM 多発性筋炎
皮膚症状→DM 皮膚筋炎
【だれ】
好発：40～60歳の女性（大きなピーク）、5～9歳（小さなピーク、悪性腫瘍少ない）
【診断基準項目】 PM：筋力低下＋全身症状
1．皮膚症状
2．上肢または下肢の近位筋の筋力低下
四肢筋力低下：初発症状。四肢近位筋中心の筋力低下。特に下肢。
3．筋肉の自発痛または把握痛
4．血清中筋原性酵素（CK or ALD）の上昇
5．筋炎を示す筋電図変化
6．骨破壊を伴わない関節炎または関節痛
7．全身性炎症反応（発熱、CRP上昇、赤沈亢進）
8．筋炎特異的自己抗体陽性
9．筋生検で筋炎の病理所見：筋線維の変性および細胞浸潤
悪性腫瘍：特に重要。高齢者のDMで発生率が高い。胃癌が最多。肺癌も多い。 腎障害は原則（―）
DM：PMの症状＋皮膚症状（a, b, cのいずれか1つ）
a) ヘリオトロープ疹：瞼が腫れっぽくなる。紫色。https://scrapbox.io/files/6556c08962beed001cb3972e.jpg
多形皮膚萎縮
b) Gottron丘疹：手指関節背面の丘疹
c) Gottron徴候：落屑を伴う丘疹。手指関節背面および指趾関節背面の紅斑
https://scrapbox.io/files/6556c0755bd3e6001bb7e191.jpg
【検査】
血液：
CK↑：筋 ④
アルドラーゼ↑：筋内にある ④
LDH↑
抗ARS抗体（＋）
https://scrapbox.io/files/68a44182ba9cb5eaf08b5fb8.png
筋電図：収縮時振幅↓、持続時間↓、安静時自発電位 ⑤
筋生検：リンパ球浸潤
MRI：炎症部位がT2協調増で高信号（T2：水＝白。炎症：水を伴う）
【治療】
ステロイド
【お話➀】103D32
56歳男性。筋力低下と空咳。
昇降が困難＝大きい動き→近位筋✖
CK↑5,700（40～200）、抗核抗体↑（20以下）
→DM
→筋生検：確定診断
半年間で体重が5kg減少→悪性腫瘍の可能性
→上部消化管内視鏡検査
→間質性肺炎？
→胸部単純CT
糖１+
→糖尿病？
→ブドウ糖負荷試験
☕
【お話②】108D45
35歳女性。脱力。
2m階段が登れない。1m腕を挙げられない。座位から立ち上がれない。＝近位筋✖
CK↑870(30～140)：神経性も考えられるが、CK↑より筋そのものの疾患。
左上腕二頭筋生検のHE染色標本：リンパ球浸潤あり。
https://scrapbox.io/files/6556c2bd12cc91001c14f814.jpg
みられるもの？
→四肢MRIのT2強調像で筋内の高信号
【お話③】111B53-55
58歳男性。筋力低下と嚥下困難。
CK↑2,380(30-140
右大腿部MRIのT1強調像（A）とT2強調像（B）：高信号＝炎症
https://scrapbox.io/files/6556c3da7aac0e001b45cdd8.jpg
この患者でみられる症状？
→仰臥位で頭が持ち上がらない、電車の網棚に荷物が載せられない。☕
この患者の電気生理学的検査所見？
→針筋電図における安静時自発電位☕
この患者に最初に投与すべき薬剤？
→プレドニゾロン☕
【お話④】107I71
40y, woman. 皮疹と全身倦怠感。
3m皮疹、2w四肢の脱力・筋肉痛・全身倦怠感。
CK↑80(30-140)、抗核抗体↑(20以下)
https://scrapbox.io/files/6556c7b98a0168001b73b3b4.jpg
→DM
この疾患で注意すべき合併症？
【お話⑤】113F53
68y, woman. 全身倦怠感、皮疹、四肢の脱力。
上眼瞼、前額部に紅斑
https://scrapbox.io/files/6556c9d2468e8d001c3e7b22.jpg
→DM.
この患者で最も併発しやすいのは？
→悪性腫瘍☕
【お話⑥】109I28
小児の皮膚筋炎？
女児に多い。
悪性腫瘍の合併が少ない。
予後良好
診断にはMRIが有用である。T2強調像で高信号を確認。
☕