視覚性
Visibility
目に見えるものの姿をとって現れる着想、視覚的アイデアは、思考を予期せぬ方向へと牽引してゆけるだけの力強さを持っている。
カルヴィーノが視覚性をどう扱ったのかに特に興味がある読者には、 『カルヴィーノの眼』が参考になるかもしれない。 見えるものであること visibility というもともとの標語が、『見えない都市』Invisible cities と対になっていること、それから『アメリカ講義 新たな千年紀のための六つのメモ』におけるこの章の中で、カルヴィーノがまさに『見えない都市』を引きながら視覚性について論じていることには見かけ以上の意味がありそうだ。