否定
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〈夢幻諸島〉もの。舞台は雪に覆われた北大陸の一角で、国境警備隊に配属された文学好きの青年が主人公となる。『夢幻諸島から』本編とも直接につながる重要作品で、SFファンにはおなじみの幻覚ガスが効果的かつフェアに用いられている。
所収媒体は、『SFマガジン』二〇一四年四月号(古沢嘉通訳、邦題は「否定」)あるいはサンリオSF文庫『アンティシペイション』(安田均訳、邦題は「拒絶」)。入手難度はいずれもやや高め。
ふたつのバージョンが存在するのは、プリーストが後年になってから旧版を大規模に改版したからだ。安定した作風を持つプリーストといえども、長期計画となった〈夢幻諸島〉連作全体で平仄をあわせるためには、事後的な微修正を各所に加える必要があったということなのだろう。
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『夢幻諸島から』がベストSF2013で1位になったことをきっかけとして、SFマガジン2014年4月号に掲載。 Y. Furusawa 古沢嘉通@frswy / 今月末のSFMに載るプリーストのThe Negationという短篇は、安田均さんが1987年に「拒絶」として訳したもの(『アンティシペイション』サンリオSF文庫所収)。安田さんが37歳のときに訳したものを、55歳の俺が参考にさせてもらって新訳しているんだが、教えられること多し。
十分の一税法 p45
芸術論として、プリーストが理想とする読者像が浮かぶようで面白い。
結末が謎い。たぶん幻覚の容量がやや多いのだ。
ディスチャージはこの話をわかりやすくほぐしたバージョン。
青の零号 @BitingAngle さんの評