金閣寺
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・どもり #吃音 鍵である最初の音が出ずに焦っているあいだ、外界の現実は進行してしまっている。未来をつくる言葉ドミニクさんの話とつながる ・父から話される金閣寺のイメージが現実を上回っている。この男の発想はすべてこれなのだろうか。
・誇りがほしい
・“裏切ることによって彼女は俺も受け入れたんだ 俺のものだ” 有為子。主人公やばい…海外病院 逃走兵の子を妊娠 その男に撃たれて死ぬ そいつも死ぬ なんか #手塚治虫 #火の鳥 っぽいな ・“美がたしかにそこに存在しているならば、私という存在は、美から疎外されたものなのだ”
・イメージが膨らみすぎ、死期の近づいた父に連れられて実際の金閣を見て幻滅する。謙虚な勉強好きなら自分の審美眼のなさを嘆いた→傲慢さがいつの間にかあった
しかし実際に見たことでよりイメージの中の金閣の美しさは増す。
田舎の住職の死→“死に方を教えて廻っていた者が、自ら実演してみせてあやまって死んだような、一種の過失”
・精神が死によって物質に変貌する、事物が自分から遠くにある理由
・父の遺言で金閣の徒弟に
“私はそんな風に、いつも自分が人に与える印象の細目に亘って責任を持つことができないのである
“私は人に疑問を起させるのがどうして好きなのかと反省した。”“私の感情にも、吃音があったのだ。私の感情はいつも間に合わない”
・空襲で金閣が燃えるかもしれないと思うと、金閣の美しさはいや増した。失われると分かると。
→(少し違うが、僕の故郷の裏山が開発でなくなり、実家も今は人の手に渡ったことを思い出す。それは無くなっていないはずだが、裏山近くの貯水槽のイメージはずっと頭から離れない)
・吃音を聞き届けようとする人の焦燥感。鏡に映る自分の醜さ(という思い込み)
・鶴川少年の優しさ。どもりを馬鹿にしない。
・戦時中、修行と工場や疎開の手伝いに明け暮れる。空襲で京都が焼けることが夢に→(破滅と退廃の美を望む気持ち。すべての人に同一に訪れる終わり。1995年ごろの自分にもあった。)
“ある場所、ある時間において、戦争は、人間の意識の中にしかない奇怪な精神的事件のように思われるのであった』
・美しい着物の女性が士官のために茶を立て乳房から乳を出して入れ、それを士官が飲む干すのを見て心奪われる。有為子を思い出す。
・母のことについて書いてこなかった理由。母を許してこなかった。倉井という母の縁者が事業に失敗して寺に身を寄せたとき。みんなで寝ているとき、蚊帳が不自然な揺れを。父も目を覚ましていた。父が目隠しした。
・鶴川とのBL感。
・感情にとどまる限りでは最悪も最善も効果は同じ。自分の暗い感情が鶴川に濾過されるのを見ると。
・母。父の療養費の完済のため。故郷がなくなる。主人公には解放感…しかし金閣寺の後継になれという母の野心や醜さに引く。母はどもりを馬鹿にする。母の現実感覚。一方で野心も魅力。
(金閣が、美が超然としているのは当然で、人間がそこに勝手に見出しているのに過ぎないは過ぎないんだろう)
・唐代の頃の南泉和尚、猫を争っている寺のものに道をとけなければ斬るといって猫を斬る。弟の趙州に意見を聞くと彼は靴を頭に載せて帰った。和尚は殺人刀、趙州は活人剣。泥に塗れる靴を頭に載せる。寛容。
・英語だとどもらなかった(歌もどもらないっていうな)
・米兵を案内。雪の中で女の腹を踏まされる。タバコをもらい老師に献上。大谷大学へ。女は流産。老師は不問に、しかし噂に。鶴川に勝手に自分の陽画たるように求める主人公。
・内翻足の柏木(大学の級友、孤独)に話しかける。どもりを指摘。魂胆も分かられている。“君は自分を大事にしすぎている。”どもりも。不具合のあるまま愛されたい。
・柏木“俺が精神でやろうとしていたことを、肉体が演じてしまった” 肉体の話。不具は鏡。存在証明。コンプレックスをむしろ自分なりに抽象化したりその問題を悩みぬけばヒーローにもなりうるが、ダークサイドにも陥りうる。相手を聖女、(責任を感じさせ)にしてつけ込む
・鶴川は柏木と付き合わない方がいいと忠告するが、鶴川に嫉妬する溝口は皮肉で返す、鶴川は悲しい顔をする。後悔。
・お茶に乳を入れた美しい女性はお茶のお師匠さん
・柏木の下宿の娘とのまぐわいの中で金閣を見、覚めて失敗
・鶴川事故で死ぬ。父には流さなかった涙を流す。
・「お前が鹿苑寺の住職になる姿を見て死にたい」の一行の呪い
・楽器で出ない音を吹こうとする努力が浄化する 柏木が伯父の形見という尺八をくれる お礼に金閣の花泥棒を頼まれる 例の生花の師匠も柏木に汚されている。ざわめく。喧嘩で抜け出した師匠を追いかけろと
“私には美は遅く来る”師匠の乳房を見るも反応できず 金閣を見る
・芸妓と歩く老師に叱責 芸妓の写真をいたずらで入れるも無反応 後継にする意思がないと伝えられ出奔 俗世に塗れた 柏木に借金 由良に旅をし 金閣を焼く意思 老師を殺しても代わりは現れる 一回性、アウラのある金閣を焼く 不滅、美の総量を減らす 旅館の女将に怪しまれ警官に通報、鹿苑寺に送り返される 母に叱責さる
・柏木 借金返済うるさい
地上の不安のとき寺は焼けてきた だから金閣寺も焼けなければ(おかしい)
柏木が老師に告げ口、老師に払わせる 「もう一度こういうことをしたら寺には置いておけんから」後押しに
鶴川からの手紙 柏木を悪く言いながら鶴川は付き合っていた 恋愛事件で悩む鶴川の「生まれつき暗い心を持って生まれていた」に愕然 自殺かと。柏木は溝口の破滅的目論見を三年経って鶴川の手紙で怖そうとした
・柏木「世界を変えるのは認識」
・溝口「世界を変えるのは行為」
(どちらも間違っていないと思う、が、この2つは二項対立ではなくフィードバックループのようにセットになっているものでは)『南泉斬猫』の話
・素人童貞になりにいく 老師のくれた授業料で。女性に接すると金閣が立ち上がることへの復讐 こんなときもずっと有為子のことを考える まり子 (結局溝口は理想と寝ようとして寝ない男)
・火災警報器の修理の日が迫り、犯行が近づく。朝鮮戦争も自分のことに絡めたり。菓子パンとわたしの関係、人間的。
(吃り、世界に対して自分が遅れをとることが溝口の人間性の根幹にある。話は変わるが映画『聲の形』は、音楽でいう「アウフタクト(弱起)」を意識してシーンが繋げられていた(将也が飛び降りてから目覚めるシーンなど)。これは遅れではなくシーンに先行するシーン・音だが、捉え方によって先行する音にメインの音・映像が遅れているとも言える。しかしそれが独特の感情を盛り上げる効果を作っていた。そしてシーンが音楽的につながっていた。また話は変わってドラムなど楽器の練習でニ拍三連符など独特のリズムに苦戦することがある。が、よく出るリズムだからマスターしようとする。なぜよく出るリズムかといえは、結局人がノリやすいリズムはただ四つ打ちを繰り返すよりどこかに「吃り」があるものなのではと思う。遅れ、二の足、掛け声、ルーティン。流暢性が「普通」を獲得しているからこそ溝口は悩みこういう人格を得たが、もう少し周りがそのアウフタクト的な駆け出す前の助走を理解できていれば……とも思った)
・柏木の説、認識を認める
けいと↓
推しを推しすぎた限界オタク(三島由紀夫・著)
すいません……。
めちゃくちゃ陳腐な表現で現代に落としたらなんな感じなのかな……と。
主人公が自己も含めた周囲全ての人に与えるべきもの、周囲から受け取るものも全部金閣寺っていう自分に一番都合いい空想に捧げてしまっているような。
自分の理想が大きすぎて、それに当てはまるのが金閣寺しか無かった?
というか、そもそもラストの感じ的に金閣寺ですら彼の理想に敵わなかったような。
あともう一つ陳腐な言い方すると、無敵の人というか。