現代音楽
《状態 No. 3》(2022)
欧文タイトル:State No. 3
編成:for any number of performers
ひとつの状態持続に焦点を当てて、状態そのものを鑑賞・観察する作品群の1曲です。これまでワードスコアによってNo. 1「パチンコの実機をプレイする」、No. 2「任意の既成楽曲を騒音とともに演奏する」をそれぞれ舞台上で実践してきました。No. 3は「任意の既成楽曲を複数同時に演奏する」というひとつの状態を実践します。
特定の作品の引用ではなく、どの作品をどれだけ重ねるかは演奏毎に決められるため、重ね方には無限のパターンがあります。ここでは何かが「重なっていること」そのものの体感を目的としています。都市やメディアをはじめ、現代の日常空間でたくさん遭遇する、複数の自律したBGMなど人が作った音楽(特にピッチ感、リズム感において中心への求心力をくっきり有したもの)同士が無作為に重なる環境や刺激、消費形態について。ホールという集中可能な空間にひとつの状態を持ち込み、機会ごとに不確定な重なりを直に観ます。