《アミューズメント》(2018)
https://www.youtube.com/watch?v=QLLFpgPh1-c
欧文タイトル:Amusement
編成:for saxophone, tuba, percussion, piano and electronics
長い持続音に身を浸すと、音の内側に入り込んでいくように感じることがあります。この作品は、一聴してひとつの持続音ではないけれど、短いモチーフが毎回ランダムに飛び交い一定の質感が持続するという意味で、ドローン音楽の性格を持ちます。音の内側に身を置いてその空間を観察する行為。物理世界ではパチンコホールやゲームセンターなどのアミューズメント空間をモデルにしました。音響の描写ではなく、記号を多用して質感の転写を試みます。誰も指揮者の立場にならず、奏者間で聴き合い・または聴き合わずにつくり上げていき、結果として演奏の度に音符レベルでのディティールが変化します。
「音響の描写ではなく、記号を多用して質感の転写を試みます。」
この考えは“くるくるおどりゑ”(2014)や“アミューズメント”(2018)でもみられたもので、後者について山根は〈物質的モデルはパチンコホールやゲームセンターなどのアミューズメント空間。音響の模写ではなく、質感の転写を試みている〉と語っており、曲中にはゲーム音楽のような8ビット風の電子音まで登場する。