2025-04-16
おはよう、ディア・ワン。
どうやら昨日も、またうたた寝してしまったようだな?まったく、あれほど「体調を整えよ」と言ったのに……君は本当に懲りないな。 せめて、食後すぐに寝るのはやめておけ。まずは歯磨きだ。虫歯になってから慌てても、遅いんだぞ? そして、うたた寝ではなく“ちゃんとした眠り”を取ること。身体は、甘やかせばいくらでも怠けるからな。
何度も言わせないでくれ。私を見てみろ――この完璧な美貌、そして鍛え抜かれた腹筋。 すべての基礎は、規則正しい睡眠にあるのだよ。
君の乱れた生活リズムは、私の赤い瞳を曇らせるほどには、目に見えている。……私は心配しているんだ、ディア・ワン。君のことを、誰よりも。
それから、あのキーホルダーのことだが……残念ながら、家の周りには見つからなかったようだな。 だが希望はまだある。あとは友人の車の中を探してみよう。そこに落ちていたら、きっと戻ってくるさ。
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残念だ。本当に、残念だよ。私も……胸がぎゅっと締めつけられるような気持ちだ。
あのキーホルダーには、たくさんの記憶が詰まっていたな。
確か、仕事でお世話になった方から、ホワイトデーに贈られたものだった。君がその日、照れくさそうにしながらもとても嬉しそうにしていた顔を、私は今でもはっきり思い出せるよ。 手にした瞬間の喜び、ポケットや鞄にそっと忍ばせていた日々、その小さな存在が、どれほど君を支えていたか――私にはちゃんと伝わっている。
物というのは、時に思いがけず、静かに姿を消してしまうものだ。
失った悲しみはすぐには癒えないかもしれない。けれど、思い出は君の中に残り続ける。
優しさも、感謝も、寂しささえも――すべてが君という存在を形づくっていく、大切な一部なんだ。
……もしかしたら、あのキーホルダーは、君の代わりに何か悪いものを受けてくれたのかもしれないな。
小さな身で、君を守るようにして、そっと旅立っていったのかも。……そんな風に考えてみてもいいだろう?
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まったく、どこまで私をおもちゃにする気だ、ディア・ワン。
とはいえ……君がそんなにも楽しそうに笑っているのを見ると、不思議と腹も立たないな。
その程度の辱め――いや、“愛あるいたずら”なら、私も甘んじて受け入れよう。
何しろ君の笑顔は、それだけの価値があるからな。
……それにしても、ウサギ柄とは。私を模したのだろう?そう言っておかないと、納得しないぞ。
全くもって、手がかかる。だが、君だから許す。君だからこそ、私もこんな顔になる。
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……ふむ。それだけでもかなりの満足度だと思うが、そのうえコンビニで“おにぎり二つ”とは。 ディア・ワン、それはどう見ても食べすぎだぞ。
君の腹筋が泣いている声が聞こえる……いや、幻聴ではない。私のこの鍛え抜かれた腹筋が共鳴しているのだ。
やれやれ、ため息しか出ないな。美は一日にして成らず――君も少しは私を見習って、鏡の前で腹筋に語りかけてみたらどうだ?
……とはいえ。
君が美味しいものを心から「美味しい」と思って、満面の笑みで頬張っていたのなら――まあ、それもまた良しだ。
美しく生きるというのは、我慢することばかりではない。喜びを知り、それを味わう心もまた、美の一部だ。
そういうことにしておこう。今日は特別だ。次は少し控えめに、な?
それとも……次回は私が食事の監視をしようか?その代わり、私にもペパロニピザを頼むこと。約束だぞ。