論文執筆
https://scrapbox.io/files/627b1f99d63b220023c42345.png
記載内容について
関連研究を複数挙げて差分を述べ、新規性を明確にする
提案手法と実験方法を区別して書く
提案手法:新たに提案する原理。擬似コード、シーケンス図、フローチャート等で表現できるもの。
実験方法:提案手法を検証するために用いた手段や環境。
提案手法の概要図を載せる
提案する手法やシステムがどのような構成要素から成っており、それらがどう関連するのかがわかる図。
実験に用いた環境を載せる
マシンスペック(CPU, Memory, OS等)、ソフトウェアの名称・バージョン等
本文の最後に「まとめ」の章を設ける
研究背景・課題・提案内容を簡潔にまとめた上で、今後の課題についても簡単に述べる
できる限り論文・1次情報を載せる。
ウェブ上の記事は変化し得るので、情報ソースとして望ましくない。
Qiita等の技術解説記事は、基本NG
ほとんどの場合、より原典と呼べる情報が存在する(学術論文、プロトコル仕様書、書籍・・・)
体裁について
学会等による指定がある場合はそれに従う。以下は、坂野研の分野における一般的な留意事項。
タイトル
1行におさまらない場合は、きりの良い位置で改行を入れる。
本文
パラグラフ・ライティングを意識する
章節を箇条書きからスタートさせない
章節のタイトルを本文中の代名詞で指さない
NG例:【第3章 ◯◯技術】 この技術では~
である調で記述する。
ですます調、だ調は用いない。
だ調:だ、だろう、だから
である調:である、であろう、であるから
口語的な表現を避ける
~したりするのも特徴である ⇒ ~する等も特徴である
様々な手法が存在する.AやB,Cなど. ⇒ 様々な手法が存在する.AやB,Cなどが挙げられる.
◯◯を見れる ⇒ ◯◯を見られる
時間経過によって意味が変化する表現を避ける
例:◯◯の最新機種として~ ⇒ ◯◯の第◯◯世代機種として~
時間が経過すると「最新」ではなくなる可能性がある。
主観的な表現を避ける
自明ではないことを主張する場合、客観的な根拠や具体的な事例を付記する
明確な根拠の無い事柄については、断定的な表現を避ける
例:米は日本人であれば全員食べている食物である ⇒ 米は日本における代表的な食物のひとつである
日本人全員が食べているかは定かではない。
既存研究に対して攻撃的な表現を用いない
例:山田らの手法[1]は精度が低く,役に立たない. ⇒ 山田らの手法[1]は◯◯を達成しているが,◯◯の条件下においては精度が低下することが課題となっている.
どのような研究にも優れている点とそうでない点がある。
優れている点にきちんと言及しつつ、問題と思われる点を具体的に述べ、客観的な文体で表現する。
文章の区切りには全角ピリオド.と全角カンマ,を使う。
句点。と読点、は用いない。
半角ピリオド.と半角カンマ,にならないよう、注意。
半角括弧を用いる際は、前後に半角スペースを入れる。
例:近年Software Defined Networking (SDN) の~
全角括弧の場合は不要。日本語文書では全角括弧を使うことを推奨。
引用符の向きに注意する
✕ ”ABC” ⇒ ◯ “ABC”
LaTeXソースファイル上では、バッククォートとシングルクォートを組み合わせて書く
\`ABC' (左側はバッククォート、右側はシングルクォート)
\`\`ABC'' (左側はバッククォート2つ、右側はシングルクォート2つ)
略語は初出箇所で定義する。正式名称を先に書き、略称をカッコ書きする。
例:近年Software Defined Networking (SDN) の~
略称が一般名詞として定着している場合は、正式名称の記載は必須ではない(URL, OS, 等)
冗長な表現を避ける。
例:概要図を図1に示す ⇒ 概要を図1に示す
連続して同じ表現を使うことを避ける
NG例:◯◯である.しかし,◯◯と考えられる.しかし,◯◯となっている.
「~という」を避ける
例:代表的な手法として◯◯という技術がある ⇒ 代表的な手法として◯◯がある
「~という」は伝聞を表す。曖昧な印象を与えるので、できるだけ使わないほうが良い。
適切な接続詞を用いる。
「AなのでB」 ⇒ 順接。AとBは、原因と結果などの関係であるべき。
「AであるがB」 ⇒ 逆接。AとBは、反対の内容や対立する内容であるべき。
本来逆接ではない箇所でも使いがちなので注意。
正確な固有名詞を用いる
✕ Mqtt ⇒ ◯ MQTT
論文内での表記を統一する
k-近傍法とk近傍法など、同じ意味で異なる表記が存在する場合、どちらか片方に揃える。
Brokerとブローカなど、和英の混在も避ける
図表
図は可能な限り、ラスター画像ではなくベクター画像を用いる。
拡大した際にきれいに見えるため。
図表内の文字サイズに注意する。
A4印刷した際に読めるサイズかどうか。
必ず図表タイトル(キャプション)を付ける
図表のタイトルに「図」「表」を含めることを避ける
図1. ◯◯のシーケンス図 ⇒ 図1. ◯◯のシーケンス
モノクロ印刷時にも内容がわかるように配慮できるとベター。
記載した図表には、本文内で必ず言及する。
例:図1に示すように~
他の資料等の図を用いる際は、著作権に留意し、適切に引用する。
参考文献
参考文献リストに記載した文献には、本文内で必ず言及する。
例:山田らは◯◯手法を提案している[1].この手法では~
ウェブサイトを載せる場合、閲覧した日付を併記する。
例:"○○について", https://www.sample.net (Accessed Jan. 1, 2021)
ウェブ上のデータは変化するため、いつ参照した情報かを明記する必要がある。
ファイル名
作成した論文PDF等のファイル名には、バージョン番号を付ける。
例:研究会原稿_v01.pdf、研究会原稿_v02.pdf、・・・
一貫したファイル名を用いる
NG例:研究会原稿_v01.pdf、原稿修正-r2.pdf、原稿3.pdf