言語と数学の違いに気付かない
結局、前期のヴィトゲンシュタインは、言語と数学や論理学との違いに気付いていなかったということができる。これは別の言い方をすれば、言語を数学や論理学のように捉えていたということもできる。例えば、足し算を考えてみたときに、「5+7=12」の数字の部分には理論上全ての数字が代入可能である。これは足し算「 + = 」という形式がまずあり、そこに対して、全ての数字は同等の権利を持って互換可能なのである。前期のヴィトゲンシュタインは言語をこのようなものとして捉えていた。しかし、現実は違ったということである。 はじめ.icon