第4回歌人・短歌紹介レジュメ
日程:9月2日 22:00~
テーマ:初谷むい『花は泡、そこにいたって会いたいよ』 Ⅰ春の愛してるスペシャル
1、春はあけぼの ゴミ袋、光をよく吸いよく笑う
「電話中につめを切ってる 届くかな 届け わたしのつめを切る音」
→少しずつ死ぬこと。それを届けること。
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実際、結構通話で爪を切ってる音は入る
「花曇り パスタを塩でゆでるのはパスタが泣いてもわからんように」
→もしかして泣いてる?
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「カーテンがふくらむ二次性徴みたい あ 願えば春は永遠なのか」
→これは秀逸。この「あ」がとても重要。
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3、いつかした宇宙の話
「呪いのこと愛って言うな ドラム式洗濯機は遊園地じゃねぇよ」
→力強いね。生活に根ざしているところの話。
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「さようならふざけてフードをかぶせあいその中でしたくちづけの日々」
→恋は排他的。それに別れを告げる。
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「花冷えのきみを抱くとききみの持つとてもきれいな精液の海」
→無駄に綺麗よね。
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5、ろーるろーるろーる
「夕焼け、あなたの名は知らない愚かだしきれいだしいつかなくなる」
→夕焼けと思わせて誰かのことっぽいよね。
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いつかなくなる、っていうのがもしかしたら太陽系の終わりなんじゃないか(太陽はうん万年後に消えると考えられている)と妄想してしまった
諸行無常を唾棄する心地、なんかうまく言えないけど分かる
「この先に海があるんだ 約束のかわりにラーメン屋まで歩いた」
→これはよくわからない。みんなの解釈欲しい。
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夕方から夜の時間帯で、海に近寄ってはいけない時間(溺れたりしてしまうのを防ぐため)になってしまったから「また海に行こうね」という約束をしてラーメン屋へ?
日が暮れるまで遊ぶくらい、海に行く前の状況を愉しんでたのかもな
海まで行くのは難しくなっちゃったのかな。ラーメン屋で済まそうみたいな
ごはんいいもの食べたいけど、ラーメンでもいいかって気分みたいな
全自動わんこ
「最初からお手もお座りもできたけどあなたに教えてもらいたかった」
→恋愛あるある。
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なんだかせつない🐶
かわいい~~~~~~
アクセントを、もらいたかっ「た」↑って脳内で読んだから、あまり悲しい感じはしないかも。本心が叶った感じ。
「わぁ、コレ欲しかったんだぁ↑!プレゼントしてくれてありがとう!」っていう時の高いイントネーション
教えてもらいたかった・・・
ファーストキスとかね、あなたにあげれたらって思うこととかね、あるのよね
Ⅱぼくたちはいつでも楽園だった
おはよ、ジュンク堂でキス、キスだよ
「酩酊。酩酊。このこえはおのおのだいじにしてほしいことばをいまからつたえるこえです」
→これもあえて文字を増やしている。面白さはある。
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メーデーメーデー?
思った!
それな!
酩酊っていうのは、もしかしたら「酔わないと本心を出せない」っていう意味なのかも。
酔うとね、ひらがなしか書けなくなることあるよね
おのおのだいじにしてほしい、ことば と区切るか、おのおの、だいじにしてほしいことば と区切るか
ひらがなのせいで区切りが曖昧になるのが面白い
Spring.OS
「「なんかこれ読めないけどたぶん暗号作る途中で飽きたやつだよ」」
→寝る前とかになにか書いてると暗号みたいになるよね。
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子供っぽさがあってかわいらしい
暗号、秘密基地、そういう感じのもの、子供は好きだけど。すぐに飽きちゃってそこら辺に放っちゃったりするんだよね
寝ぼけると暗号打つことあるよね
月の反射で見てた
「ふるえれば夜の裂けめのような月 あなたが特別にしたんだ全部」
→誰かに特別にされた何か。裂け目からじんわりと浸食してきた何か。
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卵の殻のようなところに閉じ込められてた自分が「あなた」によって殻を割られた→裂けめ
でも裂け「め」ってひらがなになっている(ダブルミーニングの可能性がある)から、もしかしたら早朝なのに月が見えているような「夜自体の裂け」を示してるのかも
裂け目と裂けめ(裂け気味)のダブルミーニング?
夜の「裂けめのような月」か、「夜の裂けめのような」月か。
全部変えちゃったんだあなたが・・・(悶え)
「とおいところに赤いちかちか見えている夜しか見えないけどそこにある」
→真っ暗な夜闇の中に赤い光。存在だけが際立つ。
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航空障害灯(ビルなどの高い建物についている、赤い光)かなあ。
高度が一定以上あると点滅するらしいから、高い=高嶺の花?
空の星などで例えられそうなところを航空障害灯で例えたのは、現代(歌は2010ごろ出てる)の「(ネットのおかげで)連絡できるけど連絡しかできない」関係性を示しているのかも知れない