突発企画!10分で文章を書こう!
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どんな企画
参加者
スタート
出題者 カンコ カンコ.icon
1回目
【甘くなりきれない春に】なるせ.icon
チョークを動かすときの指のしなやかさ
プリントをまとめるときの手の動き
点呼をとるときの声
教室内を歩くときの足の滑らせ方
どれをとっても美しいのに、僕には手の届かない人。
卒業しても彼女の視界にはきっと入れない。
得意科目なのに質問をしに行く。
「そう、出来てきてるね!」
そんな会話で僕は満足する。
手をつないで歩く、そんなことは叶わない。
それが僕の青春なんだ。
すきだからこその描写だと思うます。すきなのに相手を美しいと言える不平等さ。甘くなりきれませんね。卒業しても主人公はずっと焦がれてるんだろうなあ
【もう少しだけ呼吸が似てたら】トーチカ.icon
拝啓 なんて書き出しで手紙を送る間柄でもないか
あなたのことだからなんだかんだで元気にやっているだろうし、もう色々な後悔も一通り終わったことでしょう
だからあんまりあなたのことは気にしてないかな
気になるのはあの家でよく見かけたヤモリのこと。あの家ももう他の人が入ったみたい。ただそれを伝えたくなって手紙を書いてみました
昔を思い出すね
もう少しだけ呼吸が似てたら、わたしたちは完全にひとりになれたのかもね
手紙式はアカンて〜😢 今まさに昔を思い出したかのような事言ってるけど絶対ずっと想ってたじゃタジャン・・・この支配からの卒業
【君の心臓になりきれなくてごめん】浅井.icon
礼拝堂で、ひざまづきいつも何かを祈る君。
毎朝、ひたすら走る僕の目に飛び込んでくる朝日のような神々しさ。
通り過ぎる度に、厳かに僕の瞳に映っていた。
僕は来週の市内一周継走の為に、心肺機能を鍛える。
君のその祈りの儀式も俺と一緒で何かの修行なの?
君の訃報なんて…聞きたくなかった。チームの優勝なんて…嬉しくない。
君に喜んでもらえぬ勝利がこんなにも辛いものなんて。
神はいるのか。生命はあるのか。僕は自分の左胸を鷲掴みにして俯いた。
君の心臓になりきれなくてごめん。僕は、県大会に向けてまた走り出す。
痛いよおぉ(」😭)」オォオォオ!!!ウウゥゥアアォオ!!!!心肺停止!!
【上澄みだけを啜る恋】ETM.icon
君は僕に顔も知らせずにやってきた
釣書に書かれた美辞麗句
きっと僕は騙されないと思ってたのに
あっという間に心を連れ去られた
あの時から僕は番ながらも恋をした
君はここに来る前に
二人の夫と三人の子をもうけたという
でもここにやってきたとき君は一人で
とても軽やかで
嗚呼、とてもとても羽衣のように軽やかで
僕はあなたに恋をした
今の君は底なし沼から生まれた蓮
たくさんの辛いことや理不尽なことを呑み込んで
桃色に咲く蓮の花
僕はそんな君の上澄みだけを啜る恋をした
ひたすら艷。大人可愛い子持ちにこいして恋してるば場合じゃなああい
2回目へ
出題者 カンコ カンコ.icon
【みずみずしい屈折】ETM.icon
砂漠の中にオアシスを見つけた気分だった
砂埃だらけの見知らぬ街
日本から離れてもうずいぶん経った
とうに路銀は尽き果てて
土産物屋に住み込むことになった夜
店主が自慢の娘だと紹介したあなた
髪は新月の夜のように艶やかで
指先は三日月のように細く
みずみずしい肢体はどこまでも生命力に溢れていた
僕はあなたを追いかける
旅の話をすれば
あなたは花のようにほころび
からかえば
真っ赤になってすねた
すぐにあなたは僕に夢中になる
僕はそう思ってた
だけどそうはならなかった
あなたのみずみずしい心は
近づけば離れ
離れれば近づき
陽炎のように距離は屈折する
あぁ、あなたは僕にとって
砂漠に現れた
みずみずしい屈折
【どんな夜も明日に奪われて】浅井.icon
頭上に血しぶきが飛ぶ。俺の意識も更に遠のく。
非情で残虐なチョークスリーパーを受け、観客が万雷の歓声をあげる。
俺の額に刺さたフォークが床に落ち、金属音が鳴る。
朦朧とした意識で額に手を当てる。頭蓋骨…までは割れてないようだ。
ちっ、情けねぇ…手が震えてやがる。
「待っててくれよ…、ショウ…」
俺は心の中で弟の名前を声で呼ぶ。やべぇ。痛てぇ…
地下闘技場に集まる、下卑た富裕層どもがワインを片手に観戦している。
俺には1人の弟がいて、暇があるとアイツとよくプロレスごっこをしてた懐かしい記憶が蘇る。
あの頃に…俺たちまた戻れるかな…
俺はゆらゆらと立ち上がり、相手を睨みつける。
弟の命を救うため、ファイトマネーを稼ぐ。俺はお前を救うんだ…。
対戦相手が血まみれで、不気味に笑う俺を見て、やや後ずさりをしたのを見た。
勝負はこれからだ…。
どんな夜も明日に奪われて、未来は見えないけれど
俺は未来のために、今日も地下闘技場のリンクに上がる。
【ふたりだけの遊び場に耽溺】なるせ.icon
「東京には10歳になるころ引っ越してきたんだ」
取引先との商談を終え、喫茶店で一息つくと先輩は語りだした。
「小さい頃の記憶なんてほとんどないけど、砂場で毎日のように城を作って遊んでた。まぁそんな子どもどこにでもたくさんいるか」
アイスコーヒーを飲みながら言う。
「にしても暑いなぁ。キミも熱中症に気を付けなよ。熱中症といえば…また、前の家の話になるんだけど、砂場でいつも遊んでいた女の子がいて、夏の日その子倒れちゃったんだよね」
それは大変だ。そう思いながらグラスの中身を飲む。
「その子を抱っこして慌てて家に帰ったのを覚えてる。僕より小さい子だったから。そのあともしばらく遊んでたけど、僕が引っ越すことになっちゃったからなぁ。懐かしい。ごめんね、こんな話ばかり」
「じゃあ、もしまた私が倒れたら、抱っこしてくださいね」
【ばけもの狂いの真夜中】トーチカ.icon
メーデー・メーデー・メーデー
世界で一番静かな夜にぼくらはふたりで溺れそうになっている
重力にとらわれた言葉たちは垂直に落ちていく
瞬間
アルコールで増幅した大胆さが4つの瞳を結んだ
唇は……まだだ
心臓は早く出してくれと肉体を急かす
ばけもの狂いの真夜中
月明りだけの部屋
君がぼくを飲みこむんだ
3回目へ
出題者 浅井浅井.icon
1 すごく禍々しい秋 (本人希望のため未記載)
2 ハッピーインスタレーション
3 親切でやさしい姑の秘密
4 踊る夜叉
5 MAXのドヤ顔で俺たちは走った
こっからお題を自由選択。早い者勝ち!
1 すごく禍々しい秋 (本人希望のため未記載)
↓↓
【5 MAXのドヤ顔で俺たちは走った】カンコ.icon
ユミ「私、足が早い人が好きなんだよね」
コウスケ「俺めっちゃ走るよ」
ユミ「なら走って」
コウスケ「どこまで?」
ユミ「わかんないの?決めてないの?なんでいつもそうやって見切り発車なの?」
コウスケ「俺はユミがして欲しい事なんだってしてあげたいんだよ。ユミがして欲しい事が俺のしたい事だよ」
ユミ「バカじゃん。ただのバカじゃん。何も考えてないのと一緒じゃん。」
コウスケ「ユミだっていつもそうやって文句だけ言って逃げるだろ。」
ユミ「嫌だもん!私がコウスケを好きなのは私の事が好きなコウスケじゃなくて…違うじゃん。わかんないの?なんで分かってくれないの」
コウスケ「…好きな事をしてる俺が好き?」
ユミ「…」
コウスケ「それでも俺は走るよ。一番早く走るよ、ユミが大好きだから。」
ユミ「……ドヤ顔キモいし。」
コウスケ「ごめん」
ユミ「…キモイけど。
でも、、手、繋いで?
んで、一緒に走ろうよ」
浅井.iconドヤ顔で頑張るというシュールなお題なのに、ここまで無駄に爽やかに仕上げられちゃうとは
【4 踊る夜叉】トーチカ.icon
ふるさとを思い出しながら絵を描く
あの海と山に挟まれたふるさと
夏。同級生が学校で飼育されていたウサギを殺した
大人しく前髪の重い少年だった
最初に発見したのは俺だ
学校の裏庭で黒く染まった手をした彼を囲むように白と赤の塊が
あいつは俺を見て泣いていた……というのは確かではないがそう記憶している
別に親しかったわけではない
しかし思い出すとなぜか目頭が熱くなる
考えている間に筆は自然と動いていた
俺は
踊る夜叉を描いていた
浅井.icon作者の原体験が創作に与える影響力の大きさが表現されてる}
【2 ハッピーインスタレーション】なるせ.icon
「ただいま」
学校から帰ってくると、ママが玄関に迎えに来てくれてぎゅっと抱きしめてくれる。
「おかえり。学校楽しかった?」
「うん!あのね」
ママに学校であった出来事を話す。
ママはそれをうんうん。と聞きながら夕ご飯の支度をする。
夜になるとパパが帰ってきて、3人でいただきますをする。
そんな毎日。とっても幸せ。
学校には、お父さんがいなかったり、お母さんがご飯を作ってくれないお友達がいるみたい。でもうちは違うの。
とっても、とっても幸せなんだ。
****
「実験はどう?」
「上々です。すごい時代ですね。VRもここまで来ましたか。フルダイブによる、擬似家族体験。孤児や被虐児の人格形成に役立つ」
「愛着形成は人格に最も影響するからな。まともな人間をつくるためには、幸せな体験が必須ってわけだ」
研究施設には、ベッドに寝かされている子どもたちが複数人いる。
「現実は残酷だからね。この方がきっと彼らも幸せだろう」
****
「いってきます。ママ」
幸せな日常。どうして、こんなに幸せなことが嬉しいんだろう。これが当たり前なのに。
なぜか涙が溢れてきた。
浅井.icon幸福という血肉の通った単語と、無機質で沈黙している単語の不気味な組み合わさりを見事に表現してくれている}
【3 親切でやさしい姑の秘密】(ベーコン)
この家に嫁いできてもう10年になる。最初は夫の舌に合うような料理を作るのが大変だったが、家のレシピを快く教えてくれた義理の母のおかげで今となっては食事の度に夫に「美味い」と言われるほどになった。淡白だが家族思いの良い夫だと思う。
しかし、どうしても再現できない料理がある。「とろろ」だ。
姑の作るとろろはそれはもうとてつもないほど美味しく、はっきり言って外で食べるどんなとろろより美味しい。始めて食べた時には衝撃を受けた。今となっては1週間に一度は食べないと我慢できない......
何故か姑はとろろのレシピだけは教えてくれないのだ。聞いてもニコニコと笑って流されてしまう。
作っている所も見たことがなく、しかしいつでも冷蔵庫にはとろろが置いてある。だから困ることはないのだが……
どうしても自分の手であのとろろを作りたい。
そんなもどかしい日々を送っていたある日、姑が突如入院した。すると誰もあのとろろが作れないので急に情緒が不安定になる。あのとろろが食べたい……
夫もそのせいか最近私に当たるようになってきた。
そこで失礼を承知で病室に押しかけ、とろろのレシピを教えてもらおうとしたのだが、偶然散歩でも行っているのだろう姑がいない。
ベッドの隣には痰つぼが置いてある。そういえば姑は痰が絡みやすい体質らしいとは聞いていたが。こんな大きなつぼが必要になるほどだったろうか?
すると中からとてもいいにおいがする。普段は意識しない、とろろの匂い。半ば引き寄せられるようにそのつぼを開けると、なんと中にはあのとろろが入っているではないか。それからはもう無我夢中で手づかみでとろろを食べていた。ああ、美味しい。途中で戻ってきた様子の姑はニコニコ笑っていて、巡回に来た看護婦は恐ろしい目つきでとろろを漁る私を見ている。ああ、美味しい。
この企画恒常化したいわね