異邦人とは何か
小坂井敏晶によると、ジンメルが異邦人は「近くて遠い存在」だと書いている。さらに次のようなことも書いている。
共同体に属しながら、同時に異物として排除される存在。外部にいながら、何らかの関係を共同体と保ち続ける存在。これが異邦人である。──『答えのない世界を生きる』
さらに異邦人は、「共同体の常識に浸かった人々には当たり前の現象でも、異邦人は異常性を鋭く嗅ぎ取り、病的なほどに敏感な反応を示す」。
エーリッヒ・フロムは本来、ユダヤ系ドイツ人だったが、アメリカやメキシコに居を構え、最後はスイスで亡くなっているが、フロムの伝記をまとめたライナー・フンクはフロムの次の言葉を紹介している。
完全によそ者であった者だけが、よそ者をほんとうに理解できる。しかしながら、よそ者であるということは世界中をわが家とすることができる。この二つはつながっている。もしわたしが一つの国において、あるいはすべての国において、よそ者でないならば、私にとって、この世界にわが家はない。そして、もしこの世界にわが家を持つとすれば、わたしは至る所でよそ者であると同時に、よそ者ではないのである。
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