現実界
ラカンが提唱した精神分析用語。象徴界・想像界と共にボロメオの輪を構成する。現実とは、言語活動では決して語ることができないが、同時に言語活動によってしか語ることができないとも言える。ラカンはこの逆説的なテーゼを、メビウスの輪のような論理で敷衍している。
現実は言語活動でしか語ることはできないが、人は現実を直視することがある。それが精神病(統合失調症)であるとしている。
また、ラカンは死の瞬間にも現実が見えるとしている。
ラカンの象徴界・想像界と比べ難解でイメージしづらい。
カント的な物自体であるという指摘も、全くカント的ではないという指摘もある。