形式知
言語的な手段で他者に伝えることのできる知識。
「形式知」とは何か
形式知は言葉にして他者に伝えることができる知識や情報である 形式知の伝達の条件
しかし、あるノウハウを言葉にしたからといって、それだけで、その元々の情報が十分に他者に伝わる状態になったと保証することはできない。 たしかに、まったく言葉にしないよりかはよかったかもしれない。そのおかげで、他者がその情報にアクセスすることができるようになったかもしれない。ノウハウを言語化したならば、「私はそれを言葉にして、他者がそれを読み取ることができる状態にした」と自称できる。これをもって自己の責任を果たしたと自称することもできるだろう。
正確には次のように言った方がいいと思う。
他者に伝えるためにある情報についての言葉を知覚可能な形で相手に渡したとき、相手がそれを知覚したならば、その情報によって行為がうまく行った場合には、その言葉を渡した者もその成功に寄与したと見なされ、逆に行為が失敗に終わった場合、その責任の一端を情報提供者もまた担うと見なされる、そのような振る舞い全体を「形式知の伝達」と呼ぶ……と。
ある言葉が相手に知覚されたところで、聞き手がそこから得ることが可能な情報を自分の状況把握のどこかにうまく位置づけることができなければ、情報伝達は成功しない。 したがって、情報をうまく手渡すためには、相手に情報の複合的な座標を手渡す必要がある。