平等
『社会契約論』(第2編第11章)における「平等」
平等とは、成員間でその権力及び富が互いに同じであることを意味するのではない。 平等とは、次に述べることを意味する。
なお、「暴力」については同書第1編第3章で論じられている。そこでは、暴力=権力という考え方の不合理さが主張されている。 権力の行使が、地位(公職)と法律に従ってのみ行使される。
富について誰しもが裕福すぎず貧乏すぎない。
自由は平等なくしては存続しない。(平等が自由を支える。) #自由論 同書第1編第1章では「人間は生れたときは自由である」と言われているが、この記述と上の記述とが矛盾するとして、次のように解される可能性がある。 人間が生まれつき自由であるとは人間が自然において自由であるということである。ところが、自由は上の定義におけるような「権力」によって規定されるところの平等によってはじめて可能になるとされている。これは矛盾する。
前行の矛盾は、次のように解するとき、解消される。
人間は生まれつき自由だが、その生まれつきの自由を維持するためには、平等が肝要である。すなわち、生まれつきの自由が存在するためには平等は不要だが、自由が発揮される状態を維持するためには平等が必要である。
人間が持つ生まれつきの自由と平等によって支えられるところの自由とは、その種類が異なる。