倶舎論
阿毘達磨倶舎論 - Wikipedia
阿毘達磨倶舎論
(あびだつまくしゃろん)は、ヴァスバンドゥ(
世親
)を作者として、4世紀-5世紀頃にインドで成立したとされる、
部派仏教
の教義体系を整理・発展させた
論書
である。
サンスクリット
原典の題名は
『アビダルマ・コーシャ・バーシャ』
(梵: Abhidharma-kośa-bhāṣya、अभिधर्मकोशभास्य, 略称: AKBh)。
サンスクリット原典のほかに、2種類の漢訳本とチベット語訳本が現存している。漢訳本は、一方は
真諦
訳
『阿毘達磨倶舍釋論』
(略称
『倶舎釈論』
)22巻であり、もう一方は
玄奘
訳
『阿毘達磨倶舍論』
(略称
『倶舎論』
)30巻である。
倶舎宗
が伝統的に後者の玄奘訳を用いてきたため、玄奘訳に基づく呼称『倶舎論』が浸透した。真諦訳は
『旧倶舎』
『旧訳』とも呼称され区別された。
20世紀にサンスクリット原典が発見されてからは、漢訳に依らない研究が行われている。