人間の欲求の階層
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イメージがピラミッド型になっていて、下の欲求がある程度満たされると、次の欲求が現れるようになっています。
どの階層の欲求に取り組んでいるかと、その人の健康度は比例します。
また、人間は「欲望」を持つことを悪いことだと捉えがちですが、マズローによると、人間が一定して持つ基本的欲求から生まれる欲望は決して悪ではありません。
欲求を抑えるよりも、引き出して満たした方が、より健康になり、より生産的になり、より幸福になることができると考えられています。
各階層の詳細
①生理的欲求
生理的欲求は人を動機付ける最も根源的な欲求。
酸素、食物、飲料、性、睡眠
など人の生命維持に関わるものが生理的欲求にあたります。
まずは生命維持したいと人は思います。
②安全の欲求
飢えなどの生理的欲求がある程度満たされると、この「安全の欲求」が現れます。
身の安全、身分の安定、保護された気持ち、不安・混乱からの自由、構造・秩序・法・制限
などを求めるのが安全の欲求です。
明るい場所に慣れた現代人が真っ暗な森に入ると、恐怖を覚えると思います。
これは外界に対する防衛的態度の現れで、安全の欲求から現れる反応です。
マズローによると、生理的欲求と同じくらい安全の欲求は強いものだとされています。
生命が維持できるなら次は、安全な場所で暮らしたいと思うようになります。
③所属と愛の欲求
生理的欲求と安全の欲求が満たされると、「所属と愛の欲求」が現れます。
孤独や追放された状態を避ける
根無し草で生きている状態を避ける
家族や恋人、友達、同僚、サークル仲間など共同体の一員に加わりたいと思う
周囲から愛情深く暖かく迎えられたいと思う
以上のようなものが「所属と愛の欲求」です。
生命が維持できて、住む場所も確保できたなら今度は他者を求めるようになります。
④承認の欲求
「所属と愛の欲求」が満たされると、今度は「承認の欲求」が芽生えてきます。
「承認の欲求」は言い換えると、「尊厳の欲求」や「自尊心の欲求」とも呼ばれています。
この承認の欲求は2つに分かれます。
自己の自己に対する評価の欲求…強さや達成、熟達、能力への自信、独立や自由など、自己をより優れた存在と認める、自尊心とも言えるものへの欲求
他者からの評価に対する欲求...評判や信望、地位、名誉、優越、承認、重視などを求める欲求
この承認の欲求が満たされると、自分は世の中で役に立つ存在だという感情が湧いてきます。
逆に満たされないと、焦燥感や劣等感、無力感などの感情が現れてきます。
他者を求めて所属できたなら、今度はそこで認めてほしくなります。
⑤自己実現の欲求
「自己実現の欲求」とは、人が潜在的に持っているものを開花させて、自分がなり得る全てのものになり切りたいと感じる欲求です。
つまり、より一層自分らしく生きたい欲求のこと。
自己実現の欲求についてマズローは以下のように述べています。
自分自身、最高に平穏であろうとするなら、音楽家は音楽をつくり、美術家は絵を描き、詩人は詩を書いていなければいけない。人は、自分がなりうるものにならなければいけない。人は、自分自身の本性に忠実でなければならない。このような欲求を、自己実現の欲求と呼ぶことができるであろう。
(超越的な)自己実現の欲求
マズローが晩年に発見した「超越的な自己実現の欲求」。
「超越的でない自己実現」と「超越的な自己実現」を分ける最大の特徴は「至高体験」の有無です。 超越的でない自己実現者…自己実現はしてるものの至高体験がほとんどない自己実現者
超越的な自己実現者…至高体験を持つ自己実現者
至高体験とは「注意を完全に保持するに足るような興味深い事柄に魅惑させられ、熱中し夢中になること」のことです。(=フロー体験)