ピーター・パン・シンドローム
成熟することを拒否し,いつまでも子供のままでいたいと願う現代男性の心理学的指向。精神疾患としての概念で,アメリカ合衆国の心理学者ダン・カイリーが,J.M.バリーの戯曲『ピーター・パン』 Peter Panの主人公にちなんで名づけた。 1983年著書『ピーター・パン・シンドローム:なぜ,彼らは大人になれないのか』 The Peter Pan syndrome: men who have never grown upの中で,中流から上流階級に属し,長男で独身,高学歴だが経済的に自立せず,外見は好人物,職場を転々とするといった典型例を示した。感情を適切に表すことができない,親友をもてない,怠惰である,迷信的発想をいだく,セックスに対するコンプレックスがある,現実逃避の傾向が強いなど,精神的・社会的・性的に未熟で,モラトリアム人間に近いとされる。