スコピオ・ライジング
https://youtu.be/GDuu-m0-IjQ
ばる.iconばるさんはアンガー作品の中でもこの映画が好きで、よく見ている。
前半はバイク好きの兄ちゃんがイカすロックンロールをバックに整備したりしてる。バイクとか解体された部品とかレザーだとか筋肉質の兄ちゃんをキラキラしたロマンティックなものとして撮っており、めっちゃフェティッシュに描いている。後半は突然宗教的なシーケンス(たぶんイエス・キリストの物語)が挿入され、なんか街に出たバイカーたちの悪ノリ?みたいなんと並行して描かれ、混沌とした雰囲気になる。ここら辺正統なイエスの物語とバイカーたちの悪魔的なノリを接続したいのか、悪魔主義に傾倒しているアンガーの好みが出ているのだろうか。バイカーたちのバイクにも、死神の象徴が現れているが、エンディングでバイクから落ちた彼らは、死に導かれる。
キリストのシーケンスは、アンガーが映画の編集中に教会の日曜学校用のフィルムが間違って玄関先に届けられていたものを借用したという話と、『キング・オブ・キングス (1927年の映画)』から借用したという話があり、ここら辺きちんと検証したいところだ
いや〜いいね。
何がいいかって言うと、BGMに劇伴を用意せずに、当時ラジオで流れていた流行歌をそのまま流して繋いでるみたいなんがたまらん。この映画、音楽だけでなくいろんな素材をエディットして繋いでいて、そこがすんごい好き。 この映画は、アンガーがブルックリンで現地のバイク好きの若者たちに声をかけ、実際のバイカーたちのドキュメンタリー映像であり、彼らの素の姿を収めることをアンガーは狙った。マーロン・ブランド主演の『乱暴者』が映るテレビ、ジェームズ・ディーンの写真が貼られた壁や名誉除隊の書類は、実際に彼らのものである。後半の警察密着24時みたいな映像もアンガーが撮ったものだろうか。途中ネオナチの旗が出てくるが、ここが侮辱にあたるとしてアメリカナチ党に抗議された歴史あり。 オカルト、バイカー、同性愛、キリスト教、ナチズム、ポップ・ミュージックがカオティックに接続されアンガー作品の中でも最高傑作と言われる?逸品となっている。