オンライン・コミュニティとルール
オンライン・コミュニティとルール
久住哲.iconルールの設定は重要なことだと思うが、ルールを多く設定すればよいというわけではないと思う。ルールを設定しないこともまた重要だろう。 一方で、ルールがあることによって書き込みがしやすくなるという例もあるらしい。
たとえば、「このchにはコレしか書いてはいけない」みたいなルールがあるとする。
すると、サーバーへの参加意欲が高いメンバーが「ここにはコレしか書いてはいけません」と自治する
やり取りがログに残ると「ウワ、めんどくさ……一見様お断りか?」という気持ちになる
久住哲.icon「気にしなくても使える」の逆の例として、創作発表chと創作議論chのルールがある。そのルールとは、創作発表chには作品のみを投稿し、それについての感想は創作議論chに投稿する、というものである。このchについては、「ここは作品だけのチャンネルなんですよ」というモデレーションがしばしば見られる。私自身も何度かしたことがある。 ch名による制限を超える運用ルールなので、ミスする人が出るんだろうなと考えている。このルールには創作発表chはアートギャラリーのようにしたい、という思惑が見えるなぁと思う。cman.icon
ユーザーの"混乱"のもとは、ユーザーが自然に自己に帰する規範と、内部ドメインを知ってる者がそのユーザーに帰する規範と、これらのズレに存するのかもしれない。ユーザーは、チャンネル名から推して、そのチャンネルの中でやっていい行為に関して自らに権限付与するのだが、そうした場合、そのユーザーは古参によって、チャンネル名から推測できる以上の規範的身分を帰属させられて、「それをすべきではない」と言われる。こういった規制は、ピン留めによって、すなわち、知る人は知るテキストによって正当化される。その正当化の作業を目の当たりにすることで、新参はルールを学ぶことになるのだが、こういった経験はおそらく、ユーザーに次のような考えを抱かせる:「ここには私の知らない規則がある。私の自然な規範的態度は、ここでは、そのままの形では受け入れられないのかもしれない。とすれば、私にとって不自然な規範的態度にあらためて習熟する必要があるのだろうか。めんどくさ」と。久住哲.icon アープラではch名によって話題を制限している。
ch名を見れば何を書けば良いのかわかるので、わざわざピンどめを読まなくてもいい
久住哲.iconたまに「これは◯◯chに書いていいですか?」という問い合わせを見かける。なにか理屈をつけて自己正当化して強行突破すればいいのに、と思って見ている。
アープラのルール(絶対規則)は、普通にしていれば抵触しないものである
抵触しそうなものは行動規範として、ルールとは別に設定されている。 厳密に言うとルールなのか?cman.icon
どちらも、「気にしなくても使える」……もっと言えば「読まなくても使える」ような設計である。
閑話:cman.iconはTRPGにおけるゴールデンルールの形を結構信仰している
正確に言えば、システムによって違って、「GMの権限」「巻き戻しの禁止」などをゴールデンルールと定めているのだが、初めて見たのがSW2.0だったので、その文面を覚えている。
SW2.0あたりには、だいたいこのように書いてあったと思う――「PL,GMが楽しめることが、ゲームの勝利条件です」「そのためには、このルールブックに書いてあるルールを逸脱しても良い」「ルールの解釈に迷ったら、参加者が楽しめる方を採択してください」
このような、「ルールに勝る方針」みたいなもの――法律における憲法みたいなもの?――があると、なんかいいきがする(直観)
アープラにおいてそれは行動規範だと思う久住哲.icon ルールを立てるのではなく概念を提示して、それらの概念からどのような規則を導き出すかは各ユーザー(の責任)に委ねる
例えば「管理人独裁」とだけ言っておいて、「独裁」が何を意味するかについては各人に委ねるがそれぞれに責任を持つ。久住哲.icon
解釈は各人次第だからそれぞれがみんな正しい……ではない。どういう解釈が「アープラ的に正しい」かについて話し合うのは大事だと思う久住哲.icon
ただし、「管理人」が何を指すかは厳密に定まる。なぜならばそれはロールという機能上のものであるから。このように、厳密に意味が定まるものをピックアップしておくのも重要かも。
cman.icon『完全教祖マニュアル』を思い出す。「高度な哲学を備えよう」では、「前提を踏まえた上での論理的思考は知的ゲームとして楽しめる」「インテリを魅了するために高度な哲学を備えよう」と話される。その中で、「自分ではなくインテリに哲学を作らせるためにはどうすればいいか」という話がある。 「前提」を主張しながら、「問題点」を追求すれば良いのです。
すると、どうでしょう。なんとインテリが勝手に「前提」と「問題点」の間を論理的に保管してくれるのです!
完全教祖マニュアルはずっと皮肉げにふざけている本なので言い方が悪いが、わりとこのようなこと(前提を踏まえた上で、論理的思考を使って問題解決するルールを考える)だと思うし、コレは楽しいと思う。アープラ管理運営論(管理運営の周りのページ)とかが盛り上がるのも楽しいからだと個人的に思うcman.icon