インデントレス規則の開発
2022/2/13
いい感じにインデントしたりしなかったりできないかインデントの実行規則をいい感じに設定できないだろうか 例えば、話を掘り下げる前提に関する不明点を述べるときはインデントをするが、話を進めるときはインデントしない、などである
例
[提案]話を掘り下げるときだけインデントしよう
[提案の中の不明点]インデントとは何ですか?
[提案の中の不明点の解消]インデントというのは字下げのことです
[解消の中の不明点]字下げとは何ですか?
[解消の中の不明点の解消]文章の階層構造を分かりやすくするために、文頭に空白を入れるような書き方です
[解消の中の不明点の解消についての補足依頼]「階層構造」についてもう少し詳しく聞かせてもらえますか?
[解消をきっかけとした新しい話題]なぜ文章の階層構造を分かりやすくする必要がありますか?
[質問の中の不明点]それは一般論として?それとも今の場合の話?
[質問の中の不明点の解消]今の場合の話です
[新しい話題への応答]Scrapboxはやり取りが時系列で並ばないので、議論の跡を構造化しておかなければ、後から議論を辿ることが難しいからです
[応答の中の不明点]「議論の跡を構造化」ってどういうことですか?
[応答をきっかけとした新しい話題]Scrapboxでもやり取りを時系列順にするようルールを決めればいいのでは?
[提案をきっかけとした新しい話題]どういうやり取りが「話を掘り下げる」に該当するか、基準とかありますか?
書いてみて気づいたこと
「話を掘り下げる」という表現はミスリーディングだからやめたほうがいい
話の掘り下げは意味が広すぎる
話を掘り下げるべき理由や、話を掘り下げるとは何を指すかの基準などは、「話を掘り下げる」という事象を超えたメタな話題だが、そういうことについて考えることも「掘り下げ」に含まれる
しかし、元々「話を掘り下げる」で言いたいことに、それらメタな話題は含まれてほしくない
[行の中の不明点についての質問]と[行をきっかけにした新しい話題提供の質問]との違いってけっこうフィーリングに依存するのでは?
ポイントは、質問に対する回答は同じインデントレベルに書くということ。
質問に対して回答が出されることは、質問自体の不明点が補われることではなくて、話がひとつ進むことである
原則
規則はこの原則から出てくる
なので、「話が進む」とはどういうことであるかをはっきりさせる必要がある
上の例では、「理由を尋ねる」という行為が、話を進める行為であると見なされている。なぜそう見なすかというと、あることの理由を尋ねるということは、話題が「そのこと自体」から「そのことの理由」ならびに「そのことを行う私たち」へとシフトしたことを意味するからだ。
ここで、5w1hと「話を進める」との関連を見てみる
例
道を歩くぞ
誰が歩くんですか→歩く人に話題がシフト
誰に言ってますか→行の宛先の確認
誰の道ですか→不明点の確認(場所の特定)
その道って誰のですか→道の持ち主に話題がシフト
いつ歩きますか→歩く時間に話題がシフト
どこへ歩きますか→行き先へ話題がシフト
どこの道ですか→不明点の確認
「歩く」って何ですか→不明点の確認
どのように歩きますか→歩き方へ話題がシフト
どのような道ですか→道の様子に話題がシフト
なぜその道ですか→道の選択の理由に話題がシフト
なぜ歩きますか→歩く理由に話題がシフト
書いてみて思ったが、どの質問だとどれ、と決めることはできなそう。
「道を歩くぞ」と聞いただけで、どの道か特定できたならば、次の話題に移れる。しかし、「道だけじゃわからん」という場合は、「どの道?」とか、場合のよっては「誰の道?」などと確認する必要がある。そして、道が特定できた場合でも、そこから「その道は誰のもの?」という風に、道についての話に話題をシフトしてもよい。これは、道の特定のための質問ではなく、道についての知識を深めるための質問である。
話は、話題が特定されなければ進まない。
なぜなら、話題が分からなければ、何の話か分からず、それに対しての質問すらもできないから(てきとうに質問することはできるが)
なので、『特定のためのレスはインデントし、それ以外のレスはインデントしない』という風に定式化してもよさそう。
少し具体化すると、文脈を共有している関係であればあるほどインデント頻度は少なくなり、逆に共有された文脈が少ない場合は、インデントが多くなる。
例
カントっているじゃないですか
はいはい
……
カントっているじゃないですか
「カント」ってなんですか?🥺
あ、哲学者のカントです
「てつがくしゃ」?🥺
哲学をする人です
「てつがく」ってなんですか?🥺
哲学は、倫理や存在について考察することで……
「りんり」ってなんですか?🥺
ただし、Scrapboxには『別ページへの切り出し』という別な重要要素もあるのだが、このページではそれを度外視している。もしもそれを度外視しないとしたら、文脈を共有していない人に対しては別ページで解説するほうが読みやすくなるだろう。 別ページを作るとは、ここでは、コンテクストのレベルを一段下げた場を別に設ける、ということ。もっと具体的に言うと、より初心者レベルのページを作るということ。このとき、元のページではハイコンテクストを残しながら、別ページでは前提を確認することができる