イタローの文学へのレター4
from イタローの文学へのレター3
イタローの文学へのレター4
『青年』
さすが鴎外おもしろくて一気読みした
上京した小説家志望の青年が年上の医学生と交流したり謎の未亡人といい関係になったりしながら世間を観察したりあれこれ考えたりして書けてなかった小説を書こうと決心する小説です
パロディー要素が多くて、森鴎外みたいな人や夏目漱石っぽい人とかが変名ででてきます
『白鯨』
でかいクジラに復讐しようとしてアメリカの親爺が日本近くを追いかけまわす話です
たぶんなんか海洋冒険ものではないです 宗教や思想を表現した複雑な話
文学的な力技でもっていくかんじは好きでした
ケレン味たっぷりのセリフがよかったです
よむのにけっこうエネルギーいりますけど
小島信夫の小説『寓話』
この作者の小説では『別れる理由』をちょっと読んだくらいだったので初めてくらいです
自作の小説のモデルの人物から電話と暗号の手紙が来たのでそれを解読して小説に取り込んで載せたら、それを読んだモデルや関係者からも手紙が来たりそれを読んだ知り合いから感想が来たりしてフクザツになる話です
どっからどこまでウソかホントかわからなくなるのがおもしろかったです
戦争とかアメリカとか仏教とかSFとかいろいろ話題が広がって楽しかった
小島信夫の作品含めてたくさんの本やテレビや映画の話が出るんですが読んでなくてもおもしろいし読むとまた楽しめるんだとおもいます
森鴎外の「寒山拾得」
話のあるようなないような話で、ぽっとおいてけぼりにされるような結末ですが、なんだか力がぬけていて印象にのこります。
読んだ鴎外のなかでも好きな小説になりました。
「寒山拾得縁起」に書いた理由が書いてありますがこっちも面白かったです。
泉鏡花「夜釣」
「夜釣」は短く外連味もない話なのですが怖かったです。
太宰治「朝」「黄金風景」
「朝」はなんだか可笑しい話です。
「黄金風景」は誰でも経験したことのあるようなことをうまく書いた話です。
どれもyoutubeの朗読を聞きながらよみました。頭に入ってきやすいので便利です。
コンラッドの『闇の奥』
映画『地獄の黙示録』の原案の一つらしいのでよんでみました
不気味な雰囲気がただよっていました
短い話でしたが強烈でした