『ドン・キホーテに潜む狂気』
登場人物全員狂人説!?主従一行のみならず、脇役にいたるまで漏れなく正気とも狂気とも定かでない登場人物たちの行動の分析、狂気の萌芽となる理想と現実の鋭い対立をはらんだセルバンテスの苦難の生涯の解説、さらには『贋作ドン・キホーテ』や様々な世界文学との比較を通じ、作品の内外にひしめく狂気を総覧する、狂的『ドン・キホーテ』体験への導きの書。 内容
はじめに 『ドン・キホーテ』と認識論
第一部 『ドン・キホーテ』内部の狂気――狂いまくる人々
第一章 主人公ドン・キホーテ――「狂気」の真骨頂
第二章 従者サンチョ・パンサ――現実主義と理想主義に翻弄される狂気
第三章 ドン・キホーテ主従以外の人々
第四章 登場人物全員を襲った狂気を考察する――そもそも狂気とは何か
第二部 『ドン・キホーテ』外部の狂気――作者・スペイン・歴史・他の文学とのかかわり
第五章 『ドン・キホーテ』とセルバンテスの生き様
第六章 『ドン・キホーテ』と当時の没落したスペイン
第七章 『ドン・キホーテ』とルネサンス/反ルネサンス
第八章 『ドン・キホーテ』と騎士道物語及び挿入話の関連
第九章 『ドン・キホーテ』とその他の文学の魔術的相克
おわりに 連鎖する狂気
註
参考文献
あとがき