『イマジネール』
――想像力の現象学的心理学
サルトルの書いた、「イメージ」と「想像力」についての著作
『想像力の問題』の講談社学術文庫などでの題名
書き出し
本書の目的は、「非現実化」という意識の重要な働き、すなわち「想像力」とそのノエマ的相関者であるイマジネール〔想像的なもの〕を記述することである。
本書では、「意識」という言葉を一般に受け入れられているのとは少し異なる意味で用いている。心的構造に関して「意識状態」という表現は、ふつう自分からは動かないことや受動性を意味するが、そういった捉え方は反省によって示されるものとは矛盾するように思われる。本書で「意識」という言葉を使う場合、それはモナドなり、モナドの心的構造全体なりを示すためではなく、心的構造のそれぞれを具体的個別性において指すためである。こうして、イメージの意識、知覚的意識、等々について語ることになるが、その際に想定されているのはドイツ語の Bewusstsein が示す意味の一つである。
この本に影響がある思想
デカルト
ベルクソン
フッサール
ハイデガー
フロイト
ピエール・ジャネ