「酸模」
すかんぽう
――秋彦の幼き思い出
あらすじ
刑務所は美しい酸模が咲く丘にあった。男が刑務所から脱獄した。母たちは子供に刑務所に近づくことを禁じた。秋彦は親の目を盗み丘へ遊びに出かける。帰り道、少年は男と出会う――。
「酸模」
13のセクションに分かれる。
花言葉は「回復」
花言葉は「愛情」「情愛」「親愛の情」「博愛」「忍耐」など
昼は蛍が ねんねする
僕ら小学 一年生
今朝も通って またもどる
すかんぽ すかんぽ 川のふち
夏が来た来た ドレミファソ
《....脱獄囚の暗い心に童心がよびさます純潔な魂を酸模の花に象徴させたもので、「広辞林」を引いてありたけの秋の花・春の花を文中の野原の描写に使った。
しらない花の名前ばかり並んでゐて滑稽である》
(「四つの処女作」
《文学の世界》昭和23・12)
『三島由紀夫全集 決定版』
第15巻より 新潮社
導入したい視点
貧富・階級・性差・犯罪
原理としての犯罪者の男
例:変質したキリスト教としての大審問官
墓標の意味
男は前科者として看守になったという読み