「そういう話はしていない」
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「そういう話はしていません」
「あ、すみません……」
「?……なぜ謝るのですか?」
「いや、違う話をしてしまったので」
「この話が終わったらその話をしてもいいですし、まずあなたが持ち出した話をしてもいい。どちらにしますか?」
「そういう話はしていない」と聞いて、「そういう話をするな」と受け止めなければならないことはない
「そういう話はしていない」は、話がズレていることについての単なる指摘でしかないかもしれない
「そういう話はしていない」という言葉でもって「違う話はしないでくれ」を意味するとしたら、その語り手は、自分がその場の話題を支配する立場にあると自認しているだろう
そういう場合もある
例えばあらかじめ話題が決まっている場合、「関係ない話」をされると場が乱れることがある
そうでない場合もある
雑談や自由な議論、特に話題が決まっていないときは、その人に特権がないかぎり、その人が話題を支配することに正当性がない
もしも「そういう話はしていない」でもって「今はその話はやめてくれ」を意味するとしたら、そう発言する人はこう願っているだろう:まだこの話が終わっていなくて、今自分はこの話を突き詰めたい。
この場合、相手の語りかけを否定することが目的ではなく、自分の語りを保持することが目的である。
「そういう話はしていない」の台詞を使った人には“そういう話“(違う論点)を場に戻す責任はなく、大体において“そういう話“は忘れ去られていく。最初に“そういう話“を持ち込んだ人自体が忘れる、あえて戻さない判断をすることもあるこひつ.icon
ある話の筋を寄り道なしで一本に絞ることができる、“話を突き詰めたい“が叶う唯一の方法だろうか?
考察対象である「そういう話をしていない」は「貴方の話していることは、私が話している話題とは違います」という意思表示
受け手は要請と考える:「違うのだから、同じ話をしてくれ」「話題が何かもっとちゃんと理解してくれ」
受け手は「同じ話題で続けている」という認識がある
同じ話題だと思ったのに違う話題だと知った受け手は要請を元に「理解が足りなかった」と考える
認識を修正、自身を間違いとし、自らが受け取った要請通りに話題を取り下げる
話し手が受け手の取り下げに対し不満を持つならば、話し手は要請として発話していない
とすれば、こういった不満はしっかりと口に出しておくべき不満だろうなあ久住哲.icon
同じ表現でも「要請」という発語内行為であるか、「訂正」という発語内行為であるか異なる /icons/hr.icon
cman.icon「今の論点はそこじゃない」と「そういう話はしていない」は、似ているけど違う感じだ。直観と感覚なので何が、かはわからないけど、「そういう話はしていない」で切り出した方が良い気がする。
切り出した方が良い気がする=場における適切さだとすると、これは角が立たないということですか?こひつ.icon
双方に考察の余地があるんだけど、「今の論点はそこじゃない」は「同じ話をしているが論点がずれている」と感じた時に使う発話。「そういう話はしていない」は「そもそも違う話が始まった(始められた)」と感じた時に使う発話。発話場面が違うと思ったので、関連させつつも個別で検討した方がいい(考え/書き込みやすい)かなという感じです。cman.icon なるほど、二つを使い分ける人がいて、どういう判断をするかが読めるだけでも、この台詞が出たシーンの振り返り甲斐があります。これを笑いの題材にした漫談動画を探して言葉の使い分けや見える世界の違いについて考えるのもいいかもしれない。ページを分けるかどうかは作成者にお任せします。こひつ.icon
「今の論点はそこじゃない」のページで「そういう話はしていない」の話を書いてしまった久住哲.icon
書いてるとき、そのページが何というタイトルかを忘れていた
切り出しありがとうございます🥳こひつ.icon
「今の論点はそこじゃない」→「そういう話はしていない」の流れになったことで、「そういう話はしていない」の前に自分はしていない判断のプロセスがあるのを見ることができましたのでありがたかったです🥳こひつ.icon