批評家のようなやり方で制作にあたる
■それを聞いて思いだしたのですが、以前にもあなたは、批評家のようなやり方で音楽制作にあたるというご自身のアプローチにもとづいた発言をされていましたね。
J:はい。私は音楽を楽しみのために作っているわけではありません(笑)。たしかにそんなようなことをいいましたね。自分と比べようというわけではないですが、若いころに私は、ゴダールからのある引用を読んだんですよ。それは、「映画について批評する最良の方法は、自分でもう一本映画を作ることだ」というものでした。幸運にもまだ若いころにその言葉を知って以来、その言葉はいまもずっと私に突きささったままで、自分の制作の基礎の部分になっています。
運ないし偶然とでもいうべきものと直観と批評眼とが絶えず絡み合いながら制作が進んでいくわけです。この過程を統合できるのは批評眼だけです。
と語っている。