都市の意味を問う
言語活動としての都市
都市はどのような意味活動の場として生きられているか
複雑で多層的
変形し続ける
意味環境が多様な変化を繰り返している
ヴィクトル・ユーゴー『ノートルダム・ド・パリ』
「アレがコレを殺す」
人々の交感の場(メディア)が石造建築の大伽藍から活版印刷に移行する
建物から書物へ 中世から近代へ
都市は書かれたもののように読むことができる
言語活動のように解釈できる
都市は/を語る
ロラン・バルト
「都市は、一個の書かれた物(エクリチュール)なのです。都市の中を移動する者、つまり都市のユーザーは、何をしなければならないか、どのように移動するかに応じて、同じ言表(エノンセ)の様々な断片を取り上げ、それをひそかに現働化する一種の読者なのです。都市の中を動きまわるとき、私たちはみな、クノーの詩集『百兆の詩』の読者と同じ立場に立っています。そこでは、ただ一行の詩句を変えるだけで異なった詩を見出すことができるのです。」
※クノーの百兆の詩=一行の組合わせを10の14乗とおり作れる前衛的な詩
都市の区画、目印、無数の通りをどう通っていくかに重ねている
都市の遊歩が好きなのでこの感覚はよく分かる。どの道を選ぶか、どのカンバンを目にするか(その組わせ)によってその散歩が面白いかどうかが変化する。
イメージの形成
都市学者ケヴィン・リンチ
都市で生活したり移動したりするとき、イメージをもとに自分の位置や状況を把握する。=メンタルな地図
その都市のイメージは個人差や社会階級による差異があるもののパブリックイメージとしての共通のイメージも存在する。
都市のイメージ分析 3つのレベル
範列や連辞などの形式 <リンチの分析の範囲>
同定性
構造
実際にどのような意味が生み出されるか
意味作用
通路 path 道路、歩道、鉄道 移動する通り道
境 edge 海岸、壁 区域のまとまり、アウトライン
結節 node 交差点、公園・広場、商業センター 構造の転換が起こる場所、活動が集中する
区域 district 人が入れる空間のまとまり、区別
目印 landmark ランドマーク 位置を確認できるもの
これらの組み合わせで、住民それぞれの街のイメージが形成されている。
外部の人は目印で認識することが多い。街に訪れる回数を経るごとに、これらの情報を多くキャッチすることで、その街のイメージの解像度が上がっていく