小規模企業
では自分のような小規模企業にとってパーパス策定は不要なのか? 佐竹 2020
経営不振に陥っている「欠乏動機」状態にある企業が、いきなりMaslowのいう「自己実現の欲求」に相当し、高い理想である理念を検討するよりは、「生理的欲求」や「安定の欲求」を満たす、すなわち目の前にある当面の利益にかかわる問題を解決するためのAckoff[1971]・Ackoff&Emery[1972]のいう「①短期目標」を、まずは設定することから着想する方がより現実的だからである。そのうえで「②長期目標」や戦略を検討し34)、そこから「③理想」である理念を導くという段階を踏んだ「計画→戦略→理念」型の理念創成プロセスは、「理念ありき」とする「理念→戦略→計画」型よりも、当該企業の経営者にとっては受け入れやすく、実行意欲が高まると考えられる
そりゃそうか。
一方で、
小椋 2014
経営理念,経営計画の公開有無と企業業績としての採算の関連を調査した結果,小規模企業でも経営理念の公開及び経営計画の公開をした会社がしない会社に比べ,業績が高いことが明らかとなった。これは,Anthony[1965]や Perry[2001]の指摘と異なる結果であり,Drucker[1973]の主張する,問題に追われ生存の危機に脅かされる小規模企業ほど経営管理制度が必要なことを裏付けるものである