はじめに―日常生活の意味を捉える
メディア化した世界を題材に一般記号学という現代的な知のあり方を提示する
世界はメディア、記号、意味で満ちているから、それについて考えることなしに私たちの生活を理解することはできない 記号の知の有効性を示す
1.メディア化した私たちの世界を読み解くための知としていかに有効か
2.どのように私たちの日常生活を意味の観点から捉えることに役立つのか
記号の知の系譜を捉えかえしつつ「社会における記号の生活」の理解を目指す
一般記号学=「記号学」ソシュール+「記号論」パース
それが何であるかを正確に理解できるようになるということ=批判=リテラシーを持つ
私たちの生活の一コマ一コマの現象に注目し、そこにどのような意味のメカニズムが働いているのかを考えていきます。私はこの作業を「意味批判」と呼ぶことにしています。「批判」とはこのとき、それが何であるかを正確に認識することと同義です。意味活動の視点から私たちの日常生活を正確に認識すること、これが「日常生活の意味批判」です。16p 「セミオ・リテラシー(意味批判力)」を獲得する
意味とはなにか、どのようなメカニズムがそこで働き、どのような効果を生むものなのかを考える力
critical sense of sense
私たちは社会や制度や技術が様々な形で押し付けてくる意味から少し距離を取り、それを相対化し、 自由になることができるかもしれない。そしてまた少しは自分自身で意味を作り出す創造的契機を見つけ出すことができるかもしれないのです。そのように意味批判のセンスを身につけること、それが今日ほど求められている時代はないと私には思えるのです。 21p