2025-07-08

今日も肌寒い朝から始まり、徐々に太陽に温められている。自然に洗濯物が乾く季節はいいな。

今まで

本のページを作りその中に日付を置いて、その下にメモを書き

文章のリンクページを日記ページに貼り付けていた

改善後

日記の中にメモを書き、

メモをコピーして本のページに日付とともに書く

理由

本のメモはその日の中で起きたことに関係するから、切り離して書くのはなんか違うなと思って

リンクを置いているのだから切り離されてはいないという風に思っていたけれど、やっぱり文章がそのままそこに残っているのとリンク先に飛ばないとその文章を読めないのとではなんだかちがう

ちょっと嫌なのは

同じ文章が別のページにそれぞれあるのは実はあまり好きじゃない。

だったら本のページの方にこそ文章のリンクを飛ばせばいいのかもね、とも思うけれど文章のリンクは改行したらもうひとかたまりとして認識してくれないから✗

ということで

ちょっとまだ気になる点はあれどしばらくこうしてみよう…

を読んで色んなことが浮かんできたけれどうまく文字にできない。

世間の中での自分と、世間とは関係ないでいて良い自分を誰しも持っていると思うのだけれど、私の場合は（多くの人もそうかも、わからない）後者に自分の創作の芽を育むための大事な部分がどうやら深く関係しているようで、だけど、創作は世間と最後にはかかわらざるを得ない（簡単に言えば、他人に見てもらうためのものだからから）。だからふたつの関係はきれいに切り離すことができず、よりにもよって一番の根幹でお互いを牽制し合っているようなところがあって、ジレンマというか自己破壊を起こしそうになることがある。

多分私が「世間的な自分」と「世間と関係ない自分」をはっきり分けることに囚われているのは、私が言葉を始めて認識した記憶の日を起点として「名付けられること」と「名付けられないこと」のふたつを分けて考えてきたからなんだろう。

そもそもこのふたつを「分けて」考えること自体が「名付け」の世界に属することなんだけどな…そこが今のところの私の限界なんだと思う。いつか脱したい。いつか脱したいから「今のところの私の限界」としておこう。

世間の中でうまく振る舞える自信がある。それは表面的なものだから。自分を隠しておけばうまく処理できた。会社も、飲み会も、人付き合いも、自分の役割も。

だけど日本から離れて、世間の中でのあるべき自分を離れて、しかもいい加減良い年にもなっていることに気づいて、いざ世間の中で自分としての役割を果たすべき自覚も生まれてきた時に（遅）、自分ができることは今までうまくこなしてきたような表面的なことじゃなくて、世間と関係ない部分と呼んできた場所でこつこつやってきたものに関係するといいと思うようになったんだと思う。そうじゃないと心の底からそこに打ち込めない、本気でできることでしか返すことは無理と思ったんだと思う。

だけど今まですごくこのふたつを「分けて」考えてきたから、橋のかけかたも分からないし、翻訳もうまくいかないし、自分をどう納得させたらいいかもわからない、どうなじませていったらいいかもわからない。分からなければ分からないほど、世間との間に薄っぺらな関係しか築いてこなかったことへの罪悪感で手が止まる。

いまさら里にのこのこと降りてきて下手なことをせず、森に引っ込んでいたらいいのかもしれないけれど、面倒くさいことに私は誰かが何かを発見したり、楽しそうだったり、好奇心をくすぐられていたりする場面がすごく好きみたいで、そういうことにはかかわっていたいんだと思う。人生に新しい光が差し込む瞬間に立ち会いたいという大それた望みがあるんだと思う。多分もしかしたらそれが自分の生きている意味なのかもしれない。さらに、自分にはそれができるかもしれないと思い込んでいる。私が1歳半の時に言葉を言葉として初めて認識して感じた衝撃のようなものを、なのかな？そういうことは誰にでも、何歳になっても起こるもので、さっき「大それた」と書いたけれどそれは例えば私の踊りを見た人がはっとなるのは踊りが素晴らしかったからではなくて、それはただ媒介しただけであって、ごく些細なきっかけで起こるものなんだと思う。だから私がすごい必要はないし、実際すごくない。私に人を変える力があると信じているわけじゃなくて、人にはそういう瞬間があるということを信じている。私が稽古を重ねるのは、ただその媒体になるためにはどうすればいいかという観察のため。

もうそれすらどうでもいいと思ったとしたらどこかの洞窟でひとりで暮らしてもいいかもね。

2021年ごろには本当にそうなりかけた。SNSの言葉とか社会の理不尽な仕組みに身動きができなくなって、勝手に傷ついて、もう他人のどんなことも私には関係あるかよ、という気持ちになったから。でも本当はそんな小さなことじゃなかったはずなのにな。

媒体だなんて変な言葉を使ったけど、でも、多くの人が私のことをシャーマンだと言うけど私はそんなことないと思ってきた。私には言うまでもなくなんの力もないし、何かをおろして踊っているわけでもない。不思議なことは何もしてない。霊感すらない。（たぶん。変な体験はいっぱいしてきているけれどそれは脳みそのタガが外れているだけ…）私は私の発見を愚直になぞっているだけで、それを見た人が巫女さんみたいとか、何かを代弁しているみたいと言ってくれることがあるだけ。かっこよく勘違いされているだけで実際は私はそんなすごいことは何もしていないしできないのになと思っていた。私は時間を刻んで刻んで、どこかに接続して、その間をよおく見て、空間と時間を彫刻しているだけ。自分の中のなにかを燃え立たせ、蒸発させて、その行方を見ているだけ。

だけど、私が踊ることとか踊ることだけじゃなくて何かを教えたり、なにか言葉を発することのなかで「こういうことが起こればいいな」と思っていることは、もしかしたらある意味では、世間の中にいるその人と、そこからどこか外れた場所の間をかちゃりと繋ぐようなことなのかもしれない。それを「あの世」と呼ぶひともいるかもしれないし「新しい世界」という風に表現するひともいるかもしれないし、私は、その後に見るものがちょっとだけ鮮やかになったり、違う想像をしたくなっちゃうような気持ち、その体で感じるものがもう昨日とは違うものになる、というかんじで呼ぶ。

しかし、分類が苦手だ。横断する感覚を、どこで断ち切ればいいか分からない。それぞれの固有性にばかり目がいく。

本や人のブログを読んでそれと（一見）関係ないことを思い出して書いてしまうの、すごく自分勝手みたいで嫌なんだけど、でも実はどうしてそれを連想したかという理由が自分の中にはあってきちんと繋がっている。そのことに自分でもあとから気づいたりする。その話から受け取ったエッセンスのようなものと、私が話したいことのエッセンスはどこか深くで薄く繋がっているんだけど、でも上手に話せないまま「急になんの話をしとるんや」という感触だけを残してしまうことが残念。口頭だと余計にそう。大抵は全部話し終える前に次の話に移ってしまうから。話すのがのろい。でも結論を最初に言うのは違うから、仕方がない。

さかいめのはなしをずっとしている。

『HHhH』続き。

襲撃がまるで映画のスローモーションみたいに詳細に書かれている。しかもその瞬間に、全く同じ時刻の別の場所にいる主要人物の描写がインサートされてきて本当に映画のカットみたいだ。タランティーノとかみたい。

作者は実在の人物に自分が脚色を加えることに慎重になっている。が、私にとって少し気になるのは、ナチスの中心人物たちの性質を描写する時の形容のし方だ。

ナチスの悪行を考えれば悪魔的で唾棄すべき人物であるという表現をしたくなるかもしれないけれど、私はそういう風に、その人たちが悪い人だったからナチスが歴史に蛮行を刻んだという単純な描き方をすることこそがかえって理解を妨げると思っている。別にヒトラーだって100%悪い人間ではなく良いところもあった、ということが言いたいわけではない。（勿論人間は単純ではないから100%悪い、良い、などということがあるわけもないのは言うまでもないんだけど、そのことはさておき）ナチスがしたことは個人の資質だけでなしうることではなくて、それこそアイヒマン裁判でのアーレントではないけれど「普通の」人間たちがあれだけのことを起こし得た（「起こし得た」って言葉としてちょっと相応しくないかな…酷いことに対して使うのはおかしいかも。後から言葉考える）のにはいかなる歴史的、社会的な背景があったか、どれだけの人民の鬱屈がその背後を支えたかを見なければいけないと思うから。（ヒトラーがいかなる悪人であっても、あんな大きな地獄の門をほんの数十人で開けられるわけはなく、そのようなことが起きたのは社会がそのように反応したからだ）ヒトラーの、またはその側近たちの性質のせいにしてしまえれば事は単純で、その人たちがいなくなれば解決するし、でも逆にまたそういう人が出てきたら阻止できないということになってしまう。

作者は事実を脚色なしに描くということについて考え抜いている。それでもこういった描写をしてしまうのは、戦後のヨーロッパ社会の中に、ナチスに関わるものを自分たちと同じ人間性を持ったものとして見る/語ることへの強い忌避感があるからなのかもしれない。それはナチスを止められなかった隣国としての罪悪感が関わっているのかもしれない。悪魔は止められなかったのだと自分たちに言い聞かせたいのかもしれない。（ネタニヤフを止められないのは今回も悪魔は止められない、ヒトラーを止められなかったがあれが致し方なかったのと同じように…という無意識下の圧がかかっているのでは…と書くのは言い過ぎだし、第一この作者に対する侮辱になるかも知れない。この作家がそうだと言いたいわけではありません）

でもそれではやはりいけないんだと思う。ナチスの蛮行はヒトラーひとりの手によるものでも、ナチス高官だけによるものでもないから。軍だけのせいでも、ドイツ国民だけのせいでもない。

その圧…というかトラウマは恐らく遠く離れた日本で育った私には想像がつかぬほどに強いのかもしれないと思うことがある。（だから今もパレスチナの虐殺を止められないのではないだろうかと思ったりする）

でも逆に考えれば、その同じトラウマを持たない私たちにこそ何かできることがあるのかもしれない。（日本はまた別のトラウマを世界大戦で抱えてはいるわけだけど…）

…文章がおかしいからあとで書き直すつもり。繊細なことなのに言葉を選び切らずに書いているし。