2025-05-31
昨日、仕事からの帰り道にスーパーに寄った後、ペダルに靴紐が引っかかって自転車ごと車道側に転倒した。結構重たいもの(牛乳6本、ヨーグルト1kg、オリーブオイル1L、ビスケット、卵2ダースなど)を自転車の片側に引っ掛けていたこと、自転車は私の体に対してかなり大きいこと、それゆえサドルは足がつくかつかないかのギリギリにセッティングしてあること、あと歩道が道路に向けて坂道になっていたこと、などが重なった。自転車の左側から右側のペダルを踏み込もうとしたところペダルに靴紐が引っかかり、それを外して右足を地面につこうとしたがはずれず、その時にはもう右側に体重をかけていたので坂だったこともあって右側に倒れたかたち。自分の体重+重たい自転車+重たい荷物+坂道の衝撃を右手だけで受けてしまってこれはまずいなと思ったのだけれど骨には異常なし。でも流石に手根のあたりが内出血している。
すぐに親切な方が助け起こしてくれて(「なんでこんなに自転車重いの?!」とびっくりしていた)お礼を言ってすぐに帰路につこうかと思ったのだけれど、右手が思うように握れない。骨は大丈夫なはずだけれど腕が震えて力が入らない。左手だけでハンドルを支えて、右手は肘のあたりだけ使って家に向かう。途中、ハンドルを握れそうになったので自転車に乗ってみたところ、ペダルは前にも後ろにも進まない。良く見たらギアが外れて引っかかっている。事故現場に部品を落としてきてしまってはいないか心配になったけれどこの荷物を引きずってUターンするのは無理だから、後で回収しよう、と思いながら自転車を引いて歩いた。
家について荷物を解き、自転車をしまおうとしたら何もないはずの左手にも全く力が入らなかった。全身が震えて、そういえば気持ちが悪い。もしかしていつの間にか頭を打っていたんじゃないかと心配になって確かめる。左耳は多少聞こえづらいが、頭のどこも痛くない。大丈夫。でもだんだん冷たい汗が出てきたので家の中にいるSに電話して「転んで自転車が壊れたから見てくれる?」と頼む。自転車を見てもらっているうちに具合がどんどん悪くなって、実は転んで怪我したと話すと、えっとびっくりして、自転車や荷物のことは任せて、部屋で休みなさいと言ってくれる。
しばらく横になっていたら気持ちの悪さも震えも引いた。
怪我は手首あたりの捻挫と膝と腿の打ち身、しかもまったく重症でもない。それなのに身体にはショック症状が出た。興味深いことだなと思う。どんなに頭では「大した怪我じゃない。焦る必要もないし、心配もしないでいい。そんなに痛くもないし」と考えたとしても、身体はストップしようとする。
あとから考えたら、車道側に転んだことが怖かったのかもしれない。自転車に乗っているとき、いつも安全というわけにはいかない。パリの車は運転が荒いし道は狭いので、数回はひやりとする体験をしている。自分の体が一時的にコントロール不能になったことと、自転車で車道側に転がったことがかけ合わさったことで過剰に反応したのかもしれない。
…無意識のことだから分析したって仕方ないんだけど。
フランスには湿布が売っていないというのは本当だった。湿布を買いに行ったら、ただのコットンに水とアルコールを染み込ませたものを患部に貼って冷やしなさいと言われた。それって蒸発で熱を奪うとかそういう…??炎症を取ったり、痛みを和らげる軟膏みたいなのはないかと訊いたら痛かったらドリプランを飲みなさいと言われたので、本当に日本で言う薬が練り込んである湿布のような考え方はないんだなあと思った(薬局だとその程度しか出せないというだけのことかも)(または大した捻挫じゃないという判断だったのかもしれない)。
しっかり冷やして、筋肉痛のためのオイルを塗って、あとは安静にする。3,4日で動かせるようになるはず。
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Readsという読書が好きな人のためのSNSを使っている。それに待望の機能が追加されたので嬉しい。
本に関連した場所を登録すると、夜の色の地図にあかりが灯るというもの。
https://x.com/fuzkue/status/1928728812386124180
たった今誰かが本を読んでいる、ということが分かるものではないんだけど(Web版はちょっとそういう性質があった)、それでもひっそりと遠くで誰かがランプの下で本を読んでいる姿を想像できて楽しい。
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/kohtecho/250530#6838e3930000000000760b81
なかなか自分がいたれない境地
実際は全然どこにも至れていなくて、10年以上うじうじと書けない、読めない、と言い続けているその隙間にいるだけなのかもしれません
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/rashitamemo/2025/5/30#6838e182000000000088a6b5
そして誕生日。
倉下さん、お誕生日おめでとうございます。(1日遅れましたが)
ひそかにPodcastを聴いたりCosenseを覗いたりして考える種をいただいています。素敵な一年になりますように。
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『すべての見えない光』読了。
📖『すべての見えない光』アンソニー・ドーア/藤井光 訳(ハヤカワepi文庫)#683b69d10000000000aaa1c1
Netflixのドラマはどちらかといえば盲目の少女を中心にいくぶんロマンティックな感じに描かれていた。小説のほうではむしろドイツ軍に招聘された少年の物語の方に視線が向いた。人生が思わぬところで断ち切られたり、または断ち切る立場となったり、普段なら繋がらない人生がつながったり断ち切られるべきでない縁が永遠に分断されたり……。戦争の物語はいつでも胸が裂かれる思いがする。(同時にやはり今まさに行われている虐殺について考えてしまう)
ラジオや手紙で繋がっていた時代はすれ違いのもどかしさや悲しみとだからこそ生まれる物語がある。
#05-31