「Writing」
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p9「全ての可能な文字列。全ての本はその中に含まれている。」
『SRE』という小説の最重要箇所。この命題を真と捉えるか偽と捉えるかによって、物語の結論は互いに逆になる。
素朴に解釈すれば、これは真であるように思われる。可能な文字列を全て並べきれば、求めたい本はそこに含まれているはずだ。
しかし、この素朴な議論は明らかに誤っている。この命題が偽であることは数学的に明らかである。なぜなら、これはゲーデルの不完全性定理(特に第一不完全性定理)と数学的に等価であるから。 いかに緻密な構成からも溢れてしまうものが存在しており、小説という体系においても同様。
このように、いかに慎重に全事象に言及しようとも、言及できない存在が存在する。これがSRE。
そのような存在は他者からの言及が不可能であり(なぜなら存在しないので)、かつ自己言及しか許さない。これらの条件を満たす文字列として、自明なクワインである$ \varnothingが挙げられる。
p14「しかし女の子というのは、〜」
筒井は読んでいないと公言しているが、流石にこの作品については知っているか
あるときを境に、時間は乱雑な進み方をするようになってしまった
固有時間、多時間理論