『通信記録保管所』
カクヨム連載中の一話読切短篇集
https://kakuyomu.jp/works/16817139558554217038
題名はチャールズ・ストロス『残虐行為記録保管所』から?
その後の発表作での描写などから,J・G・バラード『残虐行為展覧会』の方っぽい
クラスター解析でジャンル分けをしてみたいので,まずはSF,ファンタジー,ミステリ,ホラー(+奇想?)くらいのイメージでラベリングしてみる
収録作
「注文の多い人類史」SF
「死なずの人」SF
「無人の友人」SF
古き良き60~70年代の御三家のショートショートを思わせる古典風味
「王様の地図」SF、奇想
「カード・シャッフル」奇想
文章力で突然殴りつけてくるエモエモショートショート
超おすすめ
「ラーメン」SF
「ミミック」SF
「羽降る日には」奇想
「二十五時間営業」SF
「日曜テラフォーム」SF
「マッチング・サービス」奇想
「看板士」奇想
「シンプル・ライフ」SF
「燃え尽きたノート」幻想
「見切り発車」奇想
「ストーリーアーク」純文学
「ラブレター」分類不能、強いて言うなら円城塔
「木から下りる」SF、奇想
「スープ・ルー」分類不能、強いて言うならSF
「母のレシピ」奇想、強いて言うなら筒井康隆
「プロジェクト・独裁者」分類不能、強いて言うなら円城塔
「バーサーカー」SF
「ミミック2」SF
「王国の鍵」幻想
「職人の技」SF、純文学?
「クズオ・その1」分類不能
「魔法の枕」幻想、SF
「夜明け」SF
「スパム」SF
「うろたもも」SF
「見知らぬ人々」奇想
「記憶の泉」奇想、寓話
「ひとじち」SF
「みだれ」SF
「絵画鑑賞の手引き」純文学
「君と振り子とブラックホール」
「サード・パーソン」
「リンゴの君」
「ゴー」
「顔認識」
「うろたましらう」
「右手の箱」
「暗闇ダイエット」
「春画師」
「怪獣の夏」
「マリオはじめての生」
「配位空間」
「世代環状線」
「クズオ・その2」
「ミノタウロス」
「ハンムラビ」
「ふたりの言葉」
「時間バッグ」
これタダで読んでいいんですか?
最近の商業出版では、5分で読める系のショートストーリーが金脈になっているという話をよく聞く
収録作はどれも面白く読めたが、特に3作目「無人の友人」と5作目「カード・シャッフル」が特に強く印象に残った。
3作目「無人の友人」は60~70年代の日本SF御三家のSSに似た風味の、レトロなSF。これは小中学生でも普通に面白く読めると思う
5作目「カード・シャッフル」は非常に平易だったそれまでの4作から変わって、奇想と文章力で殴ってくるエモエモ短篇。
従来の“難解”な印象とは全く異なり、非常に分かりやすい印象。5分短篇の領域で天下を取れると思う