ダイスの偶奇性
XIシリーズのダイスは自分で転がして目を変えられるため、転がし方次第でどのマスにも思い通りの目を出せます。
しかし側面の向きも考えると、「どのダイスも転がすだけで指定のマスに思い通りの向きで置ける」とは限らない……という話です。
以下では、「上面が d-01.icon 、前面が d-02.icon 、右面が d-03.icon のダイス」を (d-01.icon, d-02.icon, d-03.icon) のように表記します。本来 二面把握 の性質により上面と前面だけで向きは確定しますが、分かりやすさのために右面も書いています。 残念ながら、実戦での役立ち度は低めです。
実際の例
フィールド中央に図のようなダイス (d-01.icon, d-02.icon, d-03.icon) があるとします。
このダイスを何手か転がして、同じマスに (d-01.icon, d-05.icon, d-04.icon) として戻ってくることは可能でしょうか?
https://scrapbox.io/files/69bbde13b9e150750aeb32aa.png
これは可能です。例えば「右・上・左・左・下・右」のようにスライドを2回連続ですると (d-01.icon, d-05.icon, d-04.icon) になります。
https://scrapbox.io/files/69bbde32b9e150750aeb3314.png
では、同じように (d-01.icon, d-03.icon, d-05.icon) にして同じマスに戻ってくることは可能でしょうか?
いろいろな経路で転がしてみるとわかると思いますが、実はこれは不可能です。
他にも (d-01.icon, d-04.icon, d-02.icon) や (d-02.icon, d-01.icon, d-04.icon) にすることもできません。なぜでしょうか? 以下ではその理由を考えていきます。
ダイスとマスの偶奇性
フィールド上のマスを白と黒の市松模様に塗ったとします。ダイスは隣り合うマスにしか移動できないので、白と黒のマスの上を交互にしか移動できません。
また、ダイスも白黒に塗り分けてみましょう。何を塗り分けるかというと頂点です。ダイスの頂点を交互に白と黒に塗ったと仮定します(下図)。
https://scrapbox.io/files/69bbde58b9e150750aeb333a.png
さて、今ダイスが白マスにあり、カメラ側から見て白の頂点が最も近くに見えているとします。このダイスを1手動かした後の状態はどうなるでしょうか?
ダイスは黒マスに移動するのは当然ですが、同時に頂点も黒の頂点が最も近くに見えるようになるはずです。
マスと頂点のどちらも交互に塗られていることから、1手動かすごとに同時に白黒が反転します。
つまり、上のダイスを動かしたとき、白マスには常に「白の頂点の向き」、黒マスには常に「黒の頂点の向き」でしか置けません。白マスに「黒の頂点の向き」で置くことはできないわけです。
これが指定のマスに思い通りの向きで置けるとは限らない理由です。
最初の例で考えると、 (d-01.icon, d-02.icon, d-03.icon) の集まる頂点を白としたとき、 (d-01.icon, d-03.icon, d-05.icon) や (d-01.icon, d-04.icon, d-02.icon) が集まる頂点は隣の頂点のため黒です。そのため、同じマスにこれらが見えるような向きで戻ってくることはできません。
頂点周りの目の合計
上のように頂点を白黒に塗り分けたとき、頂点周りの目の合計は、偶奇できれいに分かれることが知られています。
白の頂点: (d-01.icon + d-02.icon + d-03.icon) = 6 / (d-01.icon + d-05.icon + d-04.icon) = 10 / (d-02.icon + d-04.icon + d-06.icon) = 12 / (d-03.icon + d-06.icon + d-05.icon) = 14
黒の頂点: (d-01.icon + d-03.icon + d-05.icon) = 9 / (d-01.icon + d-04.icon + d-02.icon) = 7 / (d-02.icon + d-06.icon + d-03.icon) = 11 / (d-04.icon + d-05.icon + d-06.icon) = 15
このことは、ダイスを1手転がしたとき、ある1面だけが見えなくなって裏の面が出現することを考えると納得できるかもしれません(例えば d-02.icon が隠れた場合、代わりに d-05.icon が登場するので、偶奇が逆になる)。
本題の「ダイスの偶奇性」は目が書かれていなくても成立するため直接は関係ありませんが、面白い事実だと思います。